研究課題
研究活動スタート支援
膜厚が100 nmオーダである金属ナノ薄膜の疲労き裂進展に及ぼす膜厚効果の解明を目的として,単結晶銅ナノ薄膜の疲労き裂進展試験およびき裂先端のナノ観察を実施した.膜厚が約600 nmの薄膜における疲労き裂は,き裂前方に入込み・突出しの形成を伴って安定進展した.一方,膜厚が約300 nmに減少すると,き裂進展の遅延,遅延時にき裂前方にすべり線の形成,およびすべり線に沿った急速進展を繰返してき裂が進展した.このとき,き裂周囲には顕著な疲労損傷や入込み・突出しを生じず,膜厚が減少すると疲労損傷の形成領域が局所化した.この結果は,疲労き裂進展機構に及ぼす膜厚効果の存在を示唆している.
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