研究課題
研究活動スタート支援
歯科矯正学的歯の移動においては、力学的負荷に対する応答として、骨代謝制御機構が厳密に維持されながら柔軟に変化することが重要である。近年、歯科矯正学的歯の移動メカニズムについて遺伝子発現制御機構の観点から様々な知見が明らかになり、特に転写制御に関する知見が増える一方、転写後制御の関与は不明な点が多い。本研究では、転写後制御の中でもmRNA分解制御因子であるCnot3という遺伝子に着目し、Cnot3ノックアウトマウスを用いて、歯科矯正学的歯の移動におけるmRNA分解の作用ならびに標的遺伝子を解明することで、将来的な歯科矯正臨床への展開を目標に、分子細胞生物学的観点から解明することを目的とする。初年度は4ヵ月齢雄性野生型マウスおよびCnot3ヘテロノックアウトマウス各5匹を用い、上顎切歯歯間に矯正歯科用エラスティックスレッドを麻酔下で挿入し歯間離開を行った。歯間離開4日後に解剖し、頭蓋骨および顎骨を採取しパラホルムアルデヒドを用いて固定した。3次元マイクロCT撮影を行い、離開させた前歯歯間の距離計測ならびに頭蓋骨の形態解析を主とした解剖学的解析を行った。組織化学的解析として上顎骨をパラフィン包埋し、切片において移動させた切歯の圧迫側をTRAP染色にて観察した。結果、3次元マイクロCTによる距離計測では有意な差は認められなかったが、組織化学的解析ではCnot3ヘテロノックアウトマウスにおいてTRAP陽性細胞数が多い傾向を認めた。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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生物の科学 遺伝
巻: 68(5) ページ: 458-460
40020212295