研究実績の概要 |
共同研究先のサポートにも恵まれ、健常成人血液を用いてPBMCおよびCD4+ T細胞を分離してアンフィレギュリンの産生に関するデータを構築した。具体的には、NMDA受容体の活性化により、アンフィレギュリン産生が誘導され、2型サイトカイン存在下ではその産生量が有意に増強された。また、NMDA受容体の作動薬の添加により、細胞活性が2型炎症の方向へ傾くことをサイトカイン・ケモカイン産生の観点から明らかにした。本研究成果は、2015年2月にアメリカ、ヒューストンにて行われた71st Annual Meeting of American Academy of Allergy, Asthma and Immunologyにて発表し、予想以上の反響を得た(Orihara K, HayGlass KT, Matsuda A, Saito H, Matsumoto K. NMDA Receptor Triggering Leads CD4+ T Cells Cytokine Balance Towards Type 2 Dominant)。 このことは、アレルギー疾患の慢性化にNMDA受容体の活性化を介したアンフィレギュリン産生の系があることを示唆している。別の研究費(若手B)を採用していただいたため、本研究費の継続を辞退することになったが、今後、さらなるメカニズム解析ののち、原著論文への投稿を考えている。
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