研究課題
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ペルテス病(小児大腿骨頭壊死症)は大腿骨頭への血流不全により大腿骨頭の変形・圧潰をきたすとされ、歩行・起立困難となる難治性疾患である。国際的な報告から換算すると我が国では毎年小児600人に発症することが推定されるが本国での正確な疫学調査はない。発症の年齢幅は4歳から10歳に多く活発的な男児に多い傾向があるとされるが、スポーツ活動との因果関係も全く不明である。療育施設に入所して治療に3~4年を要したり、また、学童期に長期の免荷が必要となるため、学校生活・活動が制限されるだけでなく患者を支える家族に大変大きな負担を与える。それでも完全に治るとは限らない。これら病態発症や進行の機序は全く分かっておらず、有効な治療薬もない。対症療法として行われる免荷や手術方法はこの100年間大きく変わっておらず、有効である場合とそうでない場合が混在する。臨床的には病態が大きく悪化・進行する症例が多くあり、その予測が困難であることが挙げられる。本研究は、ペルテス病の病態を解明し、病態に基づいた治療薬を将来確立することを目的とした。本申請書では、その第一段階として、採取したペルテス病患者関節液を網羅的に解析することにより炎症起因物質(サイトカイン)の一種であるインターロイキン6が特異的に上昇していることが確認された。この知見は、ペルテス病患者の股関節MRI検査所見において、関節液貯留や滑膜炎が見られる結果を強く肯定するものであった。さらに、股関節関節液にインターロイキン6を分泌する組織として、関節液に接する関節軟骨が大きく関与している可能性が示唆された。ペルテス病の病態に炎症起因物質が関与している報告は世界的に初めてであり、本研究により今後ペルテス病の病態の理解が大きく進歩することが期待される(これらの新知見は国際論文にて発表した)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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