研究目的 : 地域の高校生や一般の方に加工技術を体験させるため、低融点金属を使用し簡便かつ迅速な鋳造体験実習教育システムを構築することを目的とする。ここで、鋳造に使用する鋳型を大学の実習等で使用している三次元切削加工機で加工することにより、二つの加工(切削・鋳造)方法を同時に体系的に体験することができる狙いもある。さらに、低融点金属(融点70~150℃位)を用いることで短時間に安全かつ簡単に鋳造を体験できる。そのため、デモを見せるだけでなく実際に体験することが可能になり、より興味・関心を持った体験実習プログラムを策定できるものと考えている。これにより、ものづくりの一連の作業の流れを体系的に体験する教育システムを構築することを目的とする。 研究方法 : 最初に、鋳造体験実習教育システムを構築するために種々の鋳造モデルを3D-CADにて試作設計する。次に、そのCAMデータを用いて三次元切削加工機にて樹脂材料を用いて切削加工し、種々の試作鋳型を製作する。さらに、低融点金属材料をその各試作鋳型に流し込む。最後に、冷却後、型からはずしてヤスリがけ等の手仕上げで種々の試作鋳造物を製作する。この試作作業を経て、体験実習用モデルにふさわしい試作鋳造物を検討し、さらにそのモデルにおいて一連の工程を何度も実践し、内容・時間・難易度を考慮に入れてモデルの題材を決める。 研究成果 : 上記方法により種々のモデルを試作し、鋳造体験実習に合ったモデルを考案することができた。さらに、樹脂材料の鋳型モデルの加工部分を工夫することによって、通常長時間が必要な切削加工を短時間で済むような工夫も行うことができた。これにより体験実習では、鋳造と切削の二つの加工方法を同時に体系的に体験できるような内容を考案することもできた。 今後の課題 : 上記内容を実際に地域の高校生や一般の方に実践することを検討する。
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