ユビキタス社会を実現する基盤技術の一つである無線PAN(Personal Area Network)について、超低消費電力で低コストという利点からBluetooth Low Energy(以下BLE)規格がヘルスケアやスポーツ・フィットネスの分野を中心に有望視されている。"モノづくり"プロセスの中で、早い段階で実際に動作するプロトタイプを、素早く調査→製作→評価するサイクルを繰り返して行うことは、高専学生においても効果的であるが、現状ではまだプロトタイプ作成を気軽に行えるための開発環境が不足している。本研究では高専学生が自ら様々なセンサを有するコンピューティング演習を通じ世界の広がりや楽しさにつなげることを目的とし、期間内に以下の研究を実施した。 ○BLEを用いたインタラクション・デザイン教材の開発 Broadcom社製WICED SMART™ SIP BCM20737Sを搭載したBLEボードを中核に、複数のI/0モジュールとiPad・iPod Touch等モバイル端末を組み合わせ、簡単にブレッドボードやユニバーサル基板を介して、電気・電子工学系でない学生でも容易に無線接続でデバイスのデザインが行えるハードウェアの製作を行った。また活用例として、ARLISSカムバック・コンペティション用ローバーに上記ハードウェアを実装し、性能の評価・検証を行った。 ○RIAを実現するJavaScriptサンプルプログラムの試作 JavaScriptだけでコントロールできるBLEアプリ「konashi. js」を用い、RIAを実現するためのJavaScript/HTML/CSSサンプルプログラムを作成した。コードコミュニティjsdoit上で検索、コーディング、共有することで、OSに依存することなく低学年生でも容易にJavaScriptを用いて制御を行うことが可能な環境を構築した。
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