• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

人工干潟の底質による「飲み込み」現象がベントスの生息に与える影響の実験的評価

研究課題

研究課題/領域番号 26920008
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 工学Ⅲ(土木・建築工学系)
研究機関阿南工業高等専門学校

研究代表者

東 和之  独立行政法人国立高等専門学校機構阿南工業高等専門学校, 技術部, 技術職員

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
研究課題ステータス 完了 (2014年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2014年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード沈み込み現象 / 人工干潟 / ホソウミニナ
研究実績の概要

徳島市沖洲地区にある人工干潟は, 埋め立てられる既存干潟の代償措置として造成されたが, 既存干潟の貝・カニ類相を再現出来ていなかった. 貝・カニ類個体数密度(特に表在性)が極端に少なく, 決定的な違いはホソウミニナBatillaria cumingiの有無であった. 「ホソウミニナが人工干潟で生息できないのは餌不足のためである」という仮説を検証するために, ホソウミニナの野外飼育実験を行った. しかし, 餌量およびホソウミニナ成長量は干潟間で有意差が確認されず, 仮説は却下された. ところが飼育実験中に, 人工干潟でのみホソウミニナの死亡や過度の消失がみられ, 野外実験によって底質表面の物体が底質へ沈み込んでいること(=「沈み込み現象」)が確認された. この「沈み込み現象」が, 人工干潟におけるホソウミニナの生息を妨げている可能性が示された.
「沈み込み現象」によるホソウミニナヘの影響を確認するために, 底の有無で2種類の実験ケージを作製し, 人工干潟でホソウミニナの飼育実験を行ったところ, 底の無い実験ケージでのみホソウミニナの死亡や高頻度の消失が確認された. また, 人工干潟の底質を用いてホソウミニナの埋設実験を行ったところ, コントロールの系である非埋設の系ではホソウミニナの死亡が確認されなかったに対し, 埋設した系ではホソウミニナの死亡が確認された. これらの結果より, 沖洲地区人工干潟で確認されている「沈み込み現象」は, ホソウミニナの死亡率を上昇させることが示された. この「沈み込み現象」こそが, ホソウミニナが沖洲人工干潟で確認されない理由であろうと考えられた. 今後の課題は, 生物的および物理的などの複合的な観点から, 「沈み込み現象」の発生要因を明らかにしていくことである.

報告書

(1件)
  • 2014 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 人工干潟の底質における 「沈み込み現象」 の検証と底生生物への影響評価2015

    • 著者名/発表者名
      東和之
    • 雑誌名

      土木学会論文集B1 (水工学)

      巻: 59 ページ: 1111-1116

    • NAID

      130005123480

    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 徳島市沖洲人工干潟でのホソウミニナの生息阻害要因2014

    • 著者名/発表者名
      東和之
    • 雑誌名

      沿岸域学会誌

      巻: 27 ページ: 41-50

    • NAID

      40020322358

    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 人工干潟の底質による底生生物の 「飲み込み」 現象2014

    • 著者名/発表者名
      東和之
    • 学会等名
      応用生態工学会第18回研究発表会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2014-08-31
    • 関連する報告書
      2014 実績報告書

URL: 

公開日: 2014-04-04   更新日: 2020-05-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi