研究実績の概要 |
1. トマトホモジネートおよびキュウリホモジネートによるメラニン生成抑制効果 (1)目的 : 抗酸化活性やA-375ヒト黒色腫細胞株増殖抑制作用と同様に, トマトホモジネートとキュウリホモジネートの相互作用によりメラニン生成抑制効果も低下するかを検証する。 (2)方法 : マッシュルーム由来チロシナーゼによるL-ドーパの酸化の結果生成するメラニンを吸光度の測定によって検討する。 (3)結果 : トマトホモジネート濃度がメラニン生成阻害効果に大きく影響し, 混合による低下作用との相関関係は見られなかった。試料に含まれる抗酸化物質以外の成分がメラニン生成阻害に影響を与えていると考えられた。 2. トマトホモジネートおよびキュウリホモジネートによるMDA-231ヒト乳腺癌細胞株, MCF-7ヒト乳癌細胞株およびSW982ヒト滑膜肉腫細胞株の増殖抑制効果 (1)目的 : ヒト黒色腫細胞株A-375以外のがん細胞への試料の相互作用を検証する。 (2)方法 : 試料を添加し培養した細胞株に, XTT溶液を添加して4時間さらに培養して、発色をマルチウェル分光光度計で測定した。 (3)結果 : ヒト乳腺癌細胞株およびヒト滑膜肉腫細胞株では増殖抑制効果は見られなかった。トマトとキュウリの抗酸化能と相関関係が見られ, 相互作用による増殖抑制効果の低下が起こるのは, ヒト黒色腫細胞株特有の作用と推測される。 3. アスコルビン酸濃度とメラニン生成抑制効果の検証 (1)目的 : テーマ1の結果を受け, アスコルビン酸が及ぼすメラニン生成抑制効果を明確にする。 (2)方法 : 任意の濃度に調製したアスコルビン酸を試料として, メラニン生成阻害率を求めた。 (3)結果 : アスコルビン酸濃度が6から7mg/100mg(終濃度では, 3から3.5mg/100mg)のとき, コントロールに対して50%のメラニン生成抑制効果を有することが確認された。
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