• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

抗精神病薬クロザピンの副作用発現リスクの低減化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26929003
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 薬学Ⅳ
研究機関北海道大学

研究代表者

石川 修平  北海道大学, 北海道大学病院, 薬剤師

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
研究課題ステータス 完了 (2014年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2014年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードクロザピン活性代謝物 / 乳酸 / 糖代謝障害
研究実績の概要

【研究目的】
本研究では、臨床上問題となっているクロザピン(CLZ)誘発性の糖代謝異常に着目し、基礎研究と臨床研究から副作用発現メカニズムの解明を試みた。
【研究方法】
①基礎的検討 : インスリン抵抗性に着目し、骨格筋細胞に対するCLZならびに活性代謝物(デスメチルクロザピン(DMC)、クロザピンーN-オキシド(NOX)の影響を評価するため、ヒト横紋筋肉腫由来細胞(RD細胞)を用いて実験を行った。
・RD細胞をCLZ、DMC、NOXで薬物処理(各種1μg/ml、10μg/ml)した後、MTT assay法を用いて、細胞生存率(骨格筋細胞に対する直接障害性)を測定した。
・糖代謝異常への寄与が予想されるトランスポーターであるGLUT4(グルコースの取り込みに関与)やMCT(モノカルボン酸輸送担体)1, 4(細胞内の乳酸量の恒常性に関与)の発現量をWestern blot法を用いて測定した。
・上記のトランスポーターの機能変化を確認するため、薬物処理後、細胞内外の乳酸挙動を測定。
②臨床的検討 : クロザリル服用継続期間が1年以上である症例17例を対象にクロザリル投与前と1年後の食前血糖値、HbAl1cならびに患者の背景因子を後ろ向きに検討した。
【研究結果】
①MTT assayの結果、DMCの10μg/ml処理群は細胞生存率の低下が認められた。CLZ、DMC、NOXは各種処理濃度においても、GLUT-4、MCT-1、MCT-4の発現量に有意な変化は認められなかった。一方で細胞内乳酸濃度に関しては、DMCの10μg/ml処理群のみ低下が認められた。②クロザリル服用前と1年後の血糖値とHbAl1cの変化量を比較検討したところ、投与前後で顕著な変化は認められなかったが、喫煙ならびにクロザリル投与量≧400mgを満たす群は血糖値とHbAl1cの上昇が大きかった。また糖尿病移行高リスク群の割合が高かった。
【研究成果】
CLZの活性代謝物であるDMCはMCTの発現変動を介さずに、骨格筋細胞内の乳酸変動に障害を与えることが明らかとなり、二次的に糖代謝障害を引き起こしている可能性が示唆される。また、喫煙、高用量投与群では、HbAl1c等の上昇が認められたことから、喫煙によるCYP1A2誘導作用によるDMCの血中濃度上昇が糖代謝障害に寄与している可能性が考えられる。従って、CLZの活性代謝物の一つであるDMCの濃度上昇が糖代謝異常に関与している可能性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 2014 実績報告書

URL: 

公開日: 2014-04-04   更新日: 2020-05-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi