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自律神経バランスの調節による唾液腺機能回復効果

研究課題

研究課題/領域番号 26932003
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 歯学
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

飯田 万由  独立行政法人 国立長寿医療研究センター, 老化機構研究部代謝研究室, 研究補助員

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
研究課題ステータス 完了 (2014年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2014年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード加齢 / 唾液分泌 / 自律神経
研究実績の概要

高齢者の唾液分泌の低下や成分異常は、健康維持に重要な口腔内環境の悪化の一因となる。そこで天然成分の摂取による唾液分泌量低下と成分変化の軽減効果や予防的効果を検証した。唾液の分泌は交感神経の刺激でノルアドレナリンが放出さると唾液タンパク質が分泌され、副交感神経の刺激でアセチルコリンが放出されると血漿成分中の水が唾液として分泌される。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、n-3系の高度不飽和脂肪酸の一種で海産魚の魚油に含有する成分で、摂取すると血中、脳中のアセチルコリン濃度を上昇させる。そこでDHAの摂取によるアセチルコリン濃度の上昇が唾液分泌を促し、老化マウスで観察される唾液分泌量の減少を回復させると推察した。5%DHA含有飼料を2か月間摂取させ、大脳皮質中のアセチルコリン濃度、及び唾液の分泌量について、コントロール群との比較を行った。その結果、ピロカルピン刺激15分後の唾液分泌量はDHA供与群が平均12.19μ1で、コントロール群の平均7.92μ1より有意に多かった。大脳皮質のアセチルコリン濃度は、コントロール群が平均0.34M、DHA供与群は平均0.84Mで、有意差はないもののDHA供与群の方が高かった。個体別では唾液分泌量と大脳皮質中のアセチルコリン濃度の間に正の相関が見られ、DHA供与群はアセチルコリン濃度の上昇により唾液の分泌量が回復した可能性が考えられる。一方、唾液中のアミラーゼ活性、唾液腺組織中のアミラーゼとムチンの発現量についてはDHA供与群とコントロール群の間に差が見られなかった。以上の結果からDHAは老化マウスにおける唾液分泌量減少の回復効果を有するが、唾液成分には影響を及ぼさないと推察される。DHAは日本人が古くから食している青魚等にも多く含まれる天然由来成分であるため、薬剤に比べ身体への負担や副作用が少なく高齢者の口腔内環境の維持に寄与するものと期待される。

報告書

(1件)
  • 2014 実績報告書

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公開日: 2014-04-04   更新日: 2020-03-05  

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