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排泄物中の抗がん剤によるトイレ汚染に対する曝露対策の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26933009
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 境界医学・社会医学・看護学等
研究機関岡山大学

研究代表者

林 瑶子  岡山大学, 岡山大学病院, 薬剤師

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
研究課題ステータス 完了 (2014年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2014年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード曝露対策 / 抗がん剤
研究実績の概要

本研究では、抗がん剤曝露防止策の一つとして、排泄物中の抗がん剤で汚染されたトイレの清拭に適切な市販の洗剤について検討を行った。
排泄物中の抗がん剤で汚染されたトイレの代替として、抗がん剤(ペメトレキセド(PEM)、またはフルオロウラシル(5-FU))を撒布し乾固したタイルを使用した。清拭には、蒸留水、80W/V%エタノール、トイレハイター®(花王株式会社、次亜塩素酸ナトリウム含有)の100倍希釈液、サンポール®(大日本除虫菊株式会社、塩酸含有)の5倍希釈液を使用し、抗がん剤を乾固したタイルにスプレーした後、ワイパーにて拭き取った。また、シート状の便座除菌クリーナ®(小林製薬株式会社、塩化ベンザルコニウム含有)については、直接清拭を行った。清拭後のタイルまたは清拭に使用したワイパーの抗がん剤の残存率は、LC-MS/MSを用い測定した。
PEM、5・FUそれぞれのタイルへの残存率は、蒸留水では2.4%と1.2%、80W/V%エタノールでは1.3%と1.4%、便座除菌クリーナ®では86.8%と6.6%であり、シート状の便座除菌クリーナ®は清拭に不適であった。また、サンポール®使用後のPEM、5-FUそれぞれのタイルへの残存率は0.15%、0.38%であったが、PEMと5-FUの不活化率は0.07%、9.4%であり、不活化能をほとんど持たないことが分かった。トイレハイター®使用後のPEM、5-FUそれぞれのタイルへの残存率は0%、0.38%であり、不活化率は99.6%、7.4%であった。
以上の結果より、トイレハイター®はPEMの除去に最も適していることが分かった。また、5-FUの除去には、トイレハイター®またはサンポール®が適していた。清拭に使用したワイパーには、PEMが0.73~84.5%、5-FUが56.6~87.7%残存していたことから、清拭に使用するワイパーはディスポーザブルであること、手袋等を使用し、曝露を防ぐ必要があることが示された。今後、本研究の結果を基に、適切な排泄物取り扱いの指導箋を作成・交付し、医療従事者や患者およびその家族など多くの化学療法に関わる者の抗がん剤曝露対策へ役立てたい。

報告書

(1件)
  • 2014 実績報告書

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公開日: 2014-04-04   更新日: 2020-03-05  

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