• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

Bence Jones蛋白により生じた血餅退縮障害における機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26933013
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 境界医学・社会医学・看護学等
研究機関九州大学

研究代表者

植栁 泰  九州大学, 大学病院, 臨床検査技師

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
研究課題ステータス 完了 (2014年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2014年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード血餅退縮障害 / 多発性骨髄腫 / Bence Jones蛋白
研究実績の概要

【研究目的】
多発性骨髄腫の患者血液では、ごく稀に血清分離が困難もしくは不可能となる場合があり、旧くから知られている現象の一つである。この原因は患者血中のM蛋白によって血餅退縮に障害が起こるためと教科書的には説明されているが、詳細なメカニズムは未だ判っていない。
今回、血清分離が困難となるBence Jones蛋白(BJP)型の多発性骨髄腫患者検体を用いてM蛋白と血餅退縮障害との関連性について検討を行った。
【研究方法・結果】
1)患者血液から、各種クロマトグラフィーを用いてBJPを粗精製した。
2)1)で得たBJPを健常血液に添加し、トロンビン添加後の吸光度を経時的に測定し、フィブリン形成の過程を観察した。患者BJPを添加した血液では、対照群と比較してフィブリン形成が障害されていることが認められた。特にトロンビン添加から吸光度が上昇するまでの時間(Lag time)が患者BJPを添加した血液では、対照群と比較して大きく延長していた。
3)患者BJPのImmunoblot分析を行ったところ、還元条件下では分子量約25kDaのバンドが1本のみであったのに対し、非還元条件下では分子量約25kDa、49kDaの他に68kDaの高分子となるBJPが認められた。
【研究成果】
今回の検討から、本症例におけるBJPはフィブリン形成を障害していることが示された。BJPのようなL鎖のみからなる不完全分子型のM蛋白による血餅退縮障害例は極めて稀である。不完全分子であるBJPは抗体活性を有さないことから、本症例のフィブリン形成障害は抗原抗体反応ではなく、高分子BJPがフィブリン形成の障害に関与している可能性が考えられた。また患者BJPを加えた血液では対照群と比較してLag timeの延長が認められた。このことから、フィブリノゲンがトロンビンの作用を受けてフィブリンモノマーヘと変換されてから側々結合を起こすまでの過程で、患者BJPが何らかの阻害作用を有している可能性が考えられた。

報告書

(1件)
  • 2014 実績報告書

URL: 

公開日: 2014-04-04   更新日: 2020-03-05  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi