研究課題
特別推進研究
菅野は一方向化磁束量子論理回路の試作を中心として研究を行い、ナノメータパターン描画装置による直接描画で3層レジスト技術を用い、反応性イオンエッチングを併用することにより0.1μm以下の長さのブリッジ長を有する厚さ変化型のブリッジをNb膜を用いて作成することに成功したことを、電圧・電流特性及びマイクロ波照射時におけるシャピロステップの観測により確め、更に論理回路の試作も行った。原は素子の製作については昨年度に引き続き蒸着分子の入射角が特性に与える影響を中心に素子特性の制御性を研究した。その結果、やはり入射角を制御することが重要であることが明らかになった。また応用回路については、パーソナルコンピュータによる数値解析と比較しつつ多素子並列・DCSQUIDなどを製作した。多素子並列はインダクタンスを小さくする必要があることが解析から判明した。菅原は微粒子超伝導体薄膜を用いて作製したブリッジ接合である位相量子トンネル素子において、外部電束(電源から印加した電荷)の変化に対し、電子電圧が電束量子4e(eは電子電荷)を単位として周期変化することを確認した。この効果は、ジョセフソン素子特性が、外部磁界の変化に対して磁束量子【Φ_0】を単位として周期変化するのと双対な現象である。この巨視的量子効果を利用して、SQUIDに双対な三端子が実現できることを原理的に示した。山下はMgO上のエピタキシャル成長NbN薄膜を用いたnm-ブリッジを作成した。エッジ接合型及び準平面型nm-ブリッジの特性はIcRn積が従来より1桁向上することがわかり、再現性より作成する技術を確立した。結合SQUIDゲート及びメモリの動作を実験によって明らかにした。量子回転型と同様な特性を示すことが明らかになり、更にインダクタンスを極小にし得るため超高密度集積化が可能なことを明らかにした。
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