研究課題/領域番号 |
57123117
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
大鶴 正満 琉球大学, 医学部, 教授 (60018281)
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研究期間 (年度) |
1982 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
70,000千円 (直接経費: 70,000千円)
1982年度: 70,000千円 (直接経費: 70,000千円)
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キーワード | 寄生虫病 / 熱帯医学 / マラリア / トリパノソーマ病 / 住血吸虫病 / フィラリア病 / 媒介動物 |
研究概要 |
研究計画の実施にあたり、総括班を含む6研究班を組織した。マラリア・住血原虫病班ではマラリア原虫の持続培養、同調培養、X線照射弱毒原虫株に関する研究など、生ワクチンに関連する研究を中心に進めた。特に、弱毒原虫による長期間にわたるワクチン効果を確認するとともに、弱毒原虫株を再現性をもって常時つくりだすことにも成功し、生ワクチンの実用化に向けた研究が着実に進展した。住血吸虫病班は、殺貝剤B-2の作用機序を解明し、IgEと好酸球、またIgGサブクラスと補体の組み合せによる幼若虫致死作用の比較研究など、感染防御免疫の研究が新たな発展をみせた。さらに、感染マウスにおいてBリンパ球が多クローン性に活性化され、同時に血中の免疫複合体量の増加することが示され、本症の病態生理の研究に興味ある新しい展開をみせた。フィラリア病班ではモノクローン抗体の作製とそれらの反応特性、血中ミクロフィラリアに対する免疫作用の検討をひきつづき実施した。また、フィラリア病の動物モデルの研究において、10種類の組み合せを用いた動物感染モデルを作製し、これらをもとにした感染防御免疫の研究や薬剤の駆虫効果の研究が進展をみせた。熱帯寄生虫病の伝播制御班は各種寄生虫病の防除対策の効果をシミュレートするための数学モデルの作製とその検討を続け、これに関連して土壌内虫卵の寿命や変性過程の観察、虫卵による環境汚染度の検討、より効率的な検査のための免疫診断法の開発が行われた。媒介昆虫班では従来の薬剤による媒介昆虫の防除効果を調査するとともに、各種生育阻害剤の効果を検討し、genetic control,species sanitationのためのかなりの基礎データを得、オオカによる生物学的防除の可能性などについても促進が図られた。以上の研究成果は、およそ53編の原著論文として発表されたほか、研究成果の概要は188ページにわたる研究成果報告書として取りまとめられ、印刷された。
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