研究課題/領域番号 |
57460020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松浦 悦之 筑波大学, 物理学系, 教授 (50015509)
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研究期間 (年度) |
1982 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1983年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1982年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 低次元導体 / パルス強磁場 / シュヴニコフ・ドハース効果 / フェルミ面 / 低温X線構造解析(17K) |
研究概要 |
ハフニウムペンタテルライド(HfTe_5)は、その存在は十年程前から知られていたがその物性が明らかにされ始めたのは最近の事である。我々は電気抵抗において70Kに大きな抵抗異常を初めて発見し、また初めて純粋な(Zrを殆ど含まない)HfTe_5の単結晶育成法への手掛かりを得る事ができた。この一連の研究ではこの物質がその結晶構造から低次元導体であるとの観点から、抵抗異常が電荷密度波の形成によるものであるか、またそうでなければどの様な機構によるかを明らかにする事を目的とした。 研究はこの電気抵抗異常に関連して電子物性、構造変化等をあらゆる測定法で調べた。昭和58ー59年度は57年度に継続して、より高純度のZrTe_5、HfTe_5の極低温(T>0.3K)での磁場中での磁気抵抗、パルス強磁場下での抵抗の振る舞い(磁場は42Tまで)の研究に集中され、併せて直流電気抵抗、強磁場ホール効果、静帯磁率、シュブニコフ・ドハース効果の測定を行った。その結果、抵抗異常の生じる温度以下の低温での電子状態がかなりの程度明らかにされた。特にシュブニコフ・ドハース効果の研究では金属、半金属特有の磁気抵抗の量子振動を直流法、磁場変調法を用いてIOT、0.3Kにいたる磁場、温度で精密に測定することに成功し、HfTe_5、ZrTe_5の低温でのフェルミ面を回転楕円体近似で決定する事ができた。この結果から低温における電気伝導度の異方性を定量的に説明できる事も明らかにした。一方抵抗異常と共に何等かの構造相転移による構造変化の生起している可能性について、我々が考案し、完動の状態まで整備してきた7Kまで試料を冷却できる4軸X線回折計により、17K及び室温で構造解析を行い、室温の空間群が従来の報告と異なる事、17Kでも大きな格子変位は室温の構造に対して起きていそうにはない事を59ー60年度にかけて明らかにした。
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