配分額 *注記 |
274,000千円 (直接経費: 274,000千円)
1987年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1986年度: 49,000千円 (直接経費: 49,000千円)
1985年度: 87,000千円 (直接経費: 87,000千円)
1984年度: 71,000千円 (直接経費: 71,000千円)
1983年度: 46,000千円 (直接経費: 46,000千円)
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研究概要 |
特別推進研究の最終年度に当たる本年度は, ICB技術のもつ特徴を利用して金属, 半導体, 絶縁物や有機物など各種材料を組合わせた複合材料やGaAs, Hg_<1-x>Cd_xなどの高機能デバイス材料の薄膜作製を行い, 結晶性制御技術としてその基礎を確立した. また, CuやAuは半導体中の拡散が非常に大きく, 一方Siは多くの金属と反応してシリサイドを形成するが, ICB法でSi基板上に作製したCu薄膜ではクラスターをイオン化・加速することによって拡散が制御できることを実証した. さらに, 本年度購入した表面電子状態測定システムを用いてAl, Au, Cuなどの金属薄膜の蒸着初期過程の表面状態からICBによる金属薄膜形成では, 数原子層で既に一様な膜が形成され, 界面も平坦であることが判明した. これらの結果は, クラスターイオンのもつ運動エネルギーの増大とともに, 膜中の粒界間の結合力の増大あるいは熱的に安定な界面形成によって粒界拡散が抑えられたためと考えられ, 拡散機構き解明に新しい知見を得るとともに, 電極・配線材料への応用にもICBは有効であることが判明した. 次に, これまでの研究成果を踏まえてICBのプロセス応用技術として, ICBと単原子イオンビームとを組合わせたICB-マイクロ波イオン源併用方式を開発した. 蒸着膜の結晶性や膜の平坦度, 基板との付着力なとの諸物性はICB側で制御し, 反応性ガスとの反応度(例えば反応性ガスの付着確率など)とマイクロ波イオン源側で制御して, 酸化物, 窒化物なとの化合物合成が自由に制御できた. 例えば, 透明で熱的・化学的に安定なAl_2O_3, AIN, Sin膜が100°Cの低基板温度で作製でき, かつ作製された膜は構造材, 半導体, 金属材料などの保護膜としても広い応用が可能となった. 本併用方式は, 蒸着時の自由度をさらに高め良質な化合物薄膜の低温形成が可能となり, 国際会議に発表し高い評価を得た.
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