研究課題/領域番号 |
58330012
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤瀬 浩司 名古屋大学, 経済学部, 教授 (20022452)
|
研究分担者 |
金井 雄一 佐賀大学, 教育学部, 助教授 (30144108)
伊藤 正直 名古屋大学, 経済学部, 助教授 (70107499)
伊藤 昌太 福島大学, 教育学部, 教授 (80007327)
井上 巽 小樽商科大学, 商学部, 教授 (10002982)
吉岡 昭彦 東北大学, 文学部, 教授 (70004025)
|
研究期間 (年度) |
1983 – 1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1985年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1984年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1983年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 第一次世界大戦前 / 世界市場 / 中央銀行政策 / 国際金本位制 |
研究概要 |
1.国際金本位制に関する問題は、従来主として、金融論や国際経済論といった理論的関心から研究されてきた。勿論こうした研究の成果と交又するとはいえ、本共同研究は、第一次大戦前夜における世界市場の構造と変動の把握という、すぐれて歴史的関心から出発している。また、近年の経済史研究では、各国が独自な構造をもちながら国際的に一定の地位と役割を付与され統合されているという、世界市場の多元的構造が問題にされている。 2.本共同研究は、こうした研究方向に沿って、世界市場の構造に国際金融の側面から接近しようとしたものである。共同研究には全体構造を見通しうるように、イギリス、フランス、ドイツ、合衆国という中心資本主義諸国のみならず、ロシア、オーストリア・ハンガリー、イタリア、日本という周辺資本主義諸国と殖民地、周辺従属地域としてのインドに関する分析を含めた。時期、分析の焦点、そして若干の問題点については自ずから共通の理解をえた。時期の中心は、国際金本位制の最盛期である1900-1914年に置き、分析の焦点は、各国経済と世界市場との信用上の結節点をなす中央銀行または通貨当局の政策行動に設定した。かかる課題の設定を通じて、国際的位置と内部条件に規定された各国信用構造の特質を把握するとともに、第一次大戦に至る過程において、これらの信用構造が経験した変動とこれに対する各国の対応を検討し、かくして国際金本位制下における国際金融市場の構造とそれがもつ限界性に接近することができた。 3.以上の研究の成果として、統計資料(「第一次大戦前主要国国際金融の趨勢、I,【II】」)および著者(『国際金本位制と中央銀行政策』)を公刊した。 4.しかし、本共同研究は、国際金本位制に関する体系的な総合性の点でいくつかの問題を残しており、今後、本研究の提示した多面的かつ具体的諸論点を敷行し体系化する必要がある。
|