配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1984年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1983年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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研究概要 |
本研究で実施した調査は、実験テスト,理科問題,科学観テスト,質問紙等であり、対象は全国9地区(北海道,岩手,東京,愛知,福井,岐阜,岡山,香川,福岡)から選んだ、小・中・高各1校1学級の任意標本であり、被験者数は小学校346名,中学校370名,高等学校368名である。主な調査結果は次のとおりである。 1.実験テストについては、小学校では(1)感覚による長さと重さの見積り、(2)電気回路の配線、(5)石灰石と塩酸の反応と化石の形の推定の各問題の正答率が低い。中学校では(1)について長さはよくなるが別の体積の見積りが低くなる。高等学校でも(1)と(5)の正答率は低い。 2.実験テストの小,中,高を比較して5%以上の差のあるものが多く、上記(1)-1では小と中・高間、(1)-2では中と高の間、(2)-1では中と高の間、(2)-2,3,4では小と中,中と高の間、(5)-3,4,5では小と中,中と高の間にある。 3.第2回国際理科教育調査の実験テスト(Process Exercises)の国際比較では、現在までのところ日本,ハンガリー,シンガポールのデータしか得られていないが、これらの比較では次のようである。 日本の理科問題の成績は一番高いのにかかわらず、実験テストでは一番低く、とくに観察,測定,制作ではほとんど変らないのに、推論する、仮説を作る、結論を導くことでは両国とくらべてかなり低い。このことは日本の理科教育の欠点を端的に表わしているといえよう。 4.実験テストと理科問題、質問紙等の相互相関から見ると、それほど明確ではないが、小・中・高と学校段階が高くなるほど、実験テスト成績と理科問題の成績との相関ず高くなる傾向がある。相互相関が最も高いのは、理科問題と科学観テストであり、15年ほど前の第1回国際理科教育調査のときと同様である。
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