研究課題/領域番号 |
58420003
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 敏雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022696)
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研究分担者 |
村上 浩 名古屋大学, 理学部, 助手 (40135299)
野口 邦男 名古屋大学, 理学部, 助手 (10111824)
早川 幸男 名古屋大学, 学長 (60022498)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
36,000千円 (直接経費: 36,000千円)
1985年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1984年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1983年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 宇宙論 / 宇宙背景放射 / 赤外線天文学 / スペースアストロミー / 背景放射 / ロケット観測 |
研究概要 |
近赤外(1〜5μm)及びサブミリメーター(100μm 1.mm)の二つの波長領域に於て宇宙背景放射を観測し宇宙初期についての研究を行なった。大気光をさけ、かつ装置自身の熱放射をなくすため、冷却望遠鏡を観測ロケットに搭載して観測を行なった。 近赤外領域での宇宙背景放射の観測を目的として固体窒素冷却赤外線望遠鏡の設計、製作を行なった。本装置は宇宙科学研究所の観測ロケット、Kー9Mー77号機に搭載され1984年1月に実験が行なわれ、銀河の極、黄道の極を含む広い領域について空の表面輝度が測定された。観測された表面輝度は既知の黄道光、銀河光によって説明することができず、"空全体にー様に広がった成分"が存在することがわかった。このうち、2ミクロン付近のライン状成分は銀河系外からくる宇宙背景光である可能性が強い。 サブミリ波領域での背景放射は超流動液体ヘリウムによって1Kまで冷却した集光ホーンを持つ放射計によって行なわれた。観測は1985年8月(Kー9Mー78)と1987年2月(Kー9Mー80)の2回行なわれた。1回目はクライオスタットのふたが開かず観測に失敗したが、2回目の実験は完全に成功し100μmから1mmまでの6波長帯での空の表面輝度を測定することができた。500μmより長波長側では宇宙背景放射光がその主たる起源であるが、マイクロ波領域で得られている2.74Kに比しかなり空が明るいことがわかった。超過しているエネルギーは3K背景放射の10%に相当し、宇宙初期の活動的現象の直接的証拠を示している。 近赤外、サブミリ波両波長域での宇宙背景放射は宇宙初期にできた種族IIIの星によるものとすると統一的に理解することが出来る。今後の観測によってこれまで不明であった銀河形成、宇宙の大規模構造の起源が明らかになると期待される。
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