研究課題/領域番号 |
58420021
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 繁夫 東京大学, 工, 教授 (30010698)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
31,700千円 (直接経費: 31,700千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1984年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1983年度: 19,700千円 (直接経費: 19,700千円)
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キーワード | CFRP / 複合材料 / 疲労強度 / 引張疲労 / 圧縮疲労 / 座屈疲労 / 層間応力 / 層間剥離 / エネルギ解放率 |
研究概要 |
カーボン・エポキシ複合材料(CFRP)の疲労による破壊機構を解明するのが本研究の目的である。前年度に引続いて各種積層板の引張疲労試験を行う一方、新たに圧縮試験治具を製作して圧縮疲労試験を実施した。いずれの場合も層間応力による層問剥離が疲労の原因であることがわかった。また、恒温恒湿槽を購入して槽内で引張試験を行ない、環境条件がCFRPの強度に大きく影響することを明らかにした。その他、正方形板の剪断座屈疲労試験を実施し、座屈後においても疲労による強度の低下が少ないことを確認した。理論解析においては、温度と湿度の影響を考慮して層間応力を解析し、環境条件の疲労への影響を検討した。 1.短册型試験片の引張疲労試験:実用的な擬似等方性積層材では、剥離によって疲労破壊した。剥離の起こる層間は、有限要素法で求めた剥離によるエネルギ解放率が最大となる所と一致し、破壊力学の有効性を明らかにした。 2.短册型試験片の圧縮疲労試験:擬似等方性積層の場合、引張疲労の場合と同様に層間剥離したが、同じ積層構成でも層問垂直応力が逆符号となるため、引張の場合と異る層間で剥離した。この場合も、剥離によるエネルギ解放率の計算値が最大の層間で剥離した。 3.正方形板の剪断座屈疲労試験:剪断座屈荷重以上の荷重による疲労試験を行ない、疲労による強度の低下が少ないことがわかった。これは、座屈後の強度を有効に利用できることを示している。 4.高温高湿引張試験:高温高湿がCFRPの強度や破壊までの挙動に大きく影響することを明らかにした。 5.層間応力の理論解析:層間剥離によるエネルギ解放率を求め、積層方向、積層順序の層間剥離への影響と明らかにした。また、温度と湿度の影響を考慮して、層間応力を解析した。
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