配分額 *注記 |
31,600千円 (直接経費: 31,600千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1984年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1983年度: 28,600千円 (直接経費: 28,600千円)
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研究概要 |
本研究は、応力下および加工されたオーステナイトからの拡散変態の定量的な変態速度式を実験的に解明すること、および得られた速度式を使って、組織と温度、応力一歪の相互作用を考慮に入れたモデルを有限要素法により数値解析することによって制御圧延における圧延と冷却の最適条件を明らかにすることを目的としている。各テーマとそれぞれのテーマで得られた主な結果は次のとおりである。 (1)オーステナイトの熱間加工組織:オーステナイトを熱間加工すると遷移帯、マイクロバンド、粒界近傍の3つの異なったタイプの変形組織が生成する。 (2)加工硬化したオーステナイトからの拡散変態:オーステナイトを加工硬化させるとパーライト,フェライト,ベイナイト変態は大きく促進される。この主な原因は核生成速度の増加にあり、成長速度は加工によりあまり増加しない。核生成速度の増加には次の3つの要因がある。(a)物理的に粒が伸長することによる単位体積当たりの粒界面積の増加、(b)単位粒界面積当たりの核生成速度そのものの増加、(c)変形帯等の粒内での核生成場所の生成。これらの内で特に(b)の効果が大きい。 (3)応力下におけるオーステナイトからの拡散変態:降伏応力以下の応力は拡散変態速度に対してほとんど効果がない。降伏応力を越えると拡散変態は大きく促進されるが、その主な原因はオーステナイトの塑性変形にある。 (4)加工硬化したオーステナイトからの変態速度式と新相の粒径:加工硬化したオーステナイトからの変態速度式を核生成速度などを考慮して導出した。さらに変態速度式から新相の粒径を計算する方法を導いた。 (5)相変態を伴う金属材料の力学的挙動と連成効果:熱処理,鋳造,溶接など相変態を伴う種々の過程における温度,応力,組織成分の連成を考え、その基礎的諸関係について熱力学的考察を行った。
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