配分額 *注記 |
33,300千円 (直接経費: 33,300千円)
1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1984年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1983年度: 26,800千円 (直接経費: 26,800千円)
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研究概要 |
エネルギーの安定供給を目指すわが国にとって、多様な炭素資源を合成ガスを経由して燃料あるいは化学原料に変換するための技術を確立することは重要な課題である。本研究が特に注目したのは合成ガスからの【C_2】〜【C_5】の混合アルコールの製造である。混合アルコールは燃料として熱量が高いばかりでなく、簡単な脱水反応によって化学原料として重要なオレフィンに転換できるという特徴を有する。合成ガスからの含酸素化合物の製造に有望な触媒としてロジウム(Rh)が注目されているが、Rhには資源が極めて乏しいという問題があるため、本研究はRh以外の金属、特に最近注目され始めたレニウム(Re)を活性金属として、混合アルコール合成活性を高めるための基礎的知見の集積を試みた。以下に成果の概要を示す。 1.担体効果:Re配合触媒のCO水素化活性は担体の種類によって大きく影響されることがわかった。12種類の担体について検討したところ、活性は【Fe_3】【O_4】,Ti【O_2】,Zr【O_2】が、アルコール選択性は【Fe_3】【O_4】がそれぞれ特に高いことが見出された。 2.前処理条件:アルコール選択性を向上させる最適の処理条件は水素気流中、300℃での還元であることが見出された。 3.表面吸着種:ESR,XPS,FTIR,GC-MS等の手法を用いて、反応中触媒表面のReは0価にまで還元されていること、COはレニウムトリカルボニルとして吸着していることがそれぞれ推定された。 4.触媒調製条件の最適化:3の成果をもとに、Reの出発物質として各種のレニウムカルボニルを用いて触媒を調製したところアルコール選択性の向上が見出された。 5.超臨界ガスによる触媒の表面処理:反応に供した触媒を超臨界状態のトルエンで処理したところ、好ましくない副生成物である【CO_2】の生成を大幅に減少させることができた。
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