研究課題/領域番号 |
58430022
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安井 勉 北海道大学, 農, 教授 (20001373)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
22,300千円 (直接経費: 22,300千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1984年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1983年度: 16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
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キーワード | ミオシン / ミオシン-フィラメント / アクトミオシン / ミオシン分子種 / 熱変性 / 熱ゲル化反応 / 加工特性 |
研究概要 |
1.示差走査型熱量計を用いた測定によって、ウサギ骨格筋ミオシンとその分子断片の熱変性に関する研究を行なった。ミオシンおよび尾部断片の熱変性反応は塩濃度に大きく依存し、低塩濃度下で安定化することが示された。このことは、低塩濃度における分子間自己集合によるフィラメント形成が熱安定性と関係することを示唆している。 2.低塩濃度(0.2MKCl)と高塩濃度(0.6MKCl)におけるウサギ骨格筋ミオシンの熱ゲル化反応を調べた。両者間には明瞭な差が認められ、新鮮なミオシンのゲル化反応は、低塩濃度において高塩濃度モデル系におけるよりも著しく強調された。この差はミオシン単量体とミオシンフィラメントの粒子間凝集機構の差に由来するものと考えられる。 3.ニワトリ白色筋と赤色筋から異なった分子種のミオシンを調製し、それぞれの熱ゲル化反応を比較検討した。同一条件下でゲル形成反応実験を行なうと、白筋ミオシンはつねに赤筋ミオシンよりも高いゲル強度を発現した。また、走査型電顕によつて生成ゲル構造を観察した結果、上記と一致した三次元的網目構造形成が認められた。 4.ウサギ骨格筋ミオシンを構成するサブユニット群から軽鎖群を除去し、ミオシン重鎖のみによる熱ゲル化反応の研究を行なった。ミオシン重鎖は同一条件下のミオシン単量体の示す熱ゲル化反応とほぼ対応する反応性をあらわし、発現ゲル化能力は、分子内重鎖サブユニット部分に潜在するものと考えられる。 5.ブタ心筋ミオシンを調製し、熱ゲル化反応の分子種依存性を研究した。心筋ミオシンの熱ゲル化反応もまた。pH、イオン強度、温度によって影響をうけるが、発生ゲル強度は骨格筋のそれよりも高く、4.5mg/mlミオシンの最高ゲル強度はpH5.5,0.1MKCl,65℃,20分間加熱で、21×【10^3】dyne/【cm^2】の値を示した。ミオシン分子種間の熱ゲル化反応とフィラメントジェネシスの関連が今後の検討課題である。
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