研究課題/領域番号 |
58440010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長 智男 九州大学, 農, 教授 (30032048)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
28,400千円 (直接経費: 28,400千円)
1985年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1984年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1983年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | カンガイ / 蒸発散量 / 作物の応答 / 葉温 / 放射温度計 / 最適化 / 水ポテンシャル / 水ストレス |
研究概要 |
近年、農業をとりまく水資源の需給関係は次第に厳しくなりつつある。畑地カンガイにおいても水量に対応した効果の判定手法を再検討する必要に迫られている。このような観点から、本研究では下記項目について研究を行い水資源の有効利用に寄与することを目的とした。 1.作物の水及び熱環境因子の評価と蒸発散量の同定を行い、群落の3次元構造を考慮した蒸発散量推定モデルを開発した。ダイズ畑においてこのモデルの検証実験を行った結果、蒸発散量の実測値とモデルによる値は良く合致した。また土壌面蒸発機構を明らかにした。 2.環境制御条件下においてカンガイ後の土壌水の動態と作物の応答に関する実験と解析を行った。光照射に対する葉温の応答は土壌水分レベル、土性によって特徴的に異なることが明らかとなった。また土壌の保水性及び透水性の評価指標を定義し、これらの指標を用いて土壌水分動態を表す基本式を線形化した。土壌水分動態についての解析結果と栽培実験による結果とは良く一致した。 3.赤外放射温度計を使用して作物の葉温を測定し、葉温と土壌の水ポテンシャルとの関係を調べた結果、葉温は土壌水分の減少に対応して特に顕著な応答を示した。この結果、放射温度計によるカンガイ時期の判定手法は、他のカンガイ時期判定指標に基づく方法と比較して最も実用性が高いことが確かめられた。 4.畑地における降雨量,蒸発散量,土壌の保水性及び透水性,カンガイ方式などの要因を考慮した畑地の水収支モデルを作成し、種々の評価関数のもとでの最適なカンガイ手法を決定した。この結果、実用的には土壌水分が生長阻害水分点に達したときにカンガイする方法が他の方法に比べて最もカンガイ水量を節約できることが明らかとなった。また最も節水型であり、しかも水資源の有効利用の面で最適なドリップカンガイ法の水理特性を明らかにした。
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