配分額 *注記 |
34,200千円 (直接経費: 34,200千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1984年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1983年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
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研究概要 |
完全人工心臓による実験動物の長期生存が確立し、実際の臨床応用が進むと共に、人工心臓を装着した患者が自由に行動でき完全な社会復帰が可能なシステムの開発が強く望まれるようになってきた。本研究は、駆動装置を含めて体内に完全に埋め込める人工心臓システムの開発に当って問題となる種々の基礎的な問題点について解決をはかろうとするもので、3年間の研究で以下のような多大な成果が得られた。 (1)体外に血液ポンプを置く完全置換型人工心臓でヤギを344日間(世界最長生存)生存させることに成功した。 (2)体内に埋込可能な血液ポンプの設計試作を行い、これまでにない形のポンプの開発に成功し、ヤギを2週間生存し得た。 (3)埋込型人工心臓の最大の難点の一つであるコンプライアンスチャンバーの問題に対し、コンプライアンスチャンバーが不要な新しいポンプのメカニズムを考案、試作し、ほぼ満足な性能を得た。 (4)埋込型の駆動系として小型の遠心ポンプでシリコーンオイル流を発生させポンプを駆動する方式を設計、試作し、その性能、エネルギー伝達効率などを算出し、最終モデルへの指針を得ることができた。 (5)体外から体内へ電磁誘導でエネルギーを伝送する方法について基磁的検討を行い、コイルの形状,巻数,体内コイルとの距離,電圧,周波数などに関するデータを得ることができた。 (6)完全人工心臓の実験動物に共通に見られる病態生理的現象の分析を行い、これらには神経系が関与していることを明らかにした。 (7)人工心臓の制御のロジックを研究するために、マルチのパラメータを同時に自動制御できる新しい駆動装置を開発した。 (8)人工心臓用材料の血液適合性の限界を検討し、新しい材料を探索するための新しい評価方法を開発した。
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