配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1984年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1983年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
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研究概要 |
われわれは種々のグアニジノ化合物がけいれんを誘発することを見出し、また最近は、コバルト誘発てんかん原性焦点組織中にα-グアニジノグルタル酸(GGA)を発見し、そのけいれん誘発作用も明らかにした。本研究においてはさらに下記のごとき、新知見を得た。 1.自然発症てんかんモデル動物であるElマウスはけいれん準備性を持つと、大脳皮質,小脳,中脳,橋延髄においてメチルグアニジンが増加すること、及びけいれん期にN-アセチルアスパラギン酸が増加することなどを明らかにした。 2.PTZけいれんの際、ウサギ髄液中のグアニジノ酢酸が増加した。 3.GGA誘発けいれんの初期にセロトニンの一過性の減少が認められた。これはセロトニンの放出亢進によるものであることを示した。 4.ホモアルギニン、δ-グアニジノバレリン酸(DGVA)のけいれん誘発作用を脳波記録によって、初めて明らかにするとともに、DGVA誘発発作に対するγ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸などのGABA関連物質の抑制作用を明らかにした。また、ジベンゾイルグアニジン誘発けいれんに対するタウロシアミンの抑制作用、及びフェノバルビタールなどの抗てんかん薬の抑制作用も明らかにした。 5.ヒト尿中に新グアニジノ化合物を発見し、その構造を2-グアニジノエタノールと決定し、さらにけいれん誘発作用を明らかにした。 6.L-〔amidino-【^(15)N】〕-アルギニンをマウスに投与して、脳及び腎のグアニジノ酢酸、肝のグアニジノ酢酸,メチルグアニジン,グアニジノコハク酸などへの移行を観察した。また、脳アルギナーゼ活性がアルコールにより低下することを明らかにした。 7.てんかん患者髄液中にタウロシアミンの異常高値を示す症状のあること、及び焦点脳組織中にタウロシアミン,メチルグアニジン,N-アセチルアルギニンの高値を示す症例のあることを示した。
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