配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1983年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
|
研究概要 |
ミカンとマニグローブを用い、グロースキャビネットにおける完全制御環境条件下、およびガラス温室における太陽光利用の環境調節条件下において、水生理および光合成速度を計測し、短時間の植物応答を解析した。 他方、形態的特性は電子顕微鏡による観察により明らかにした。要約すると次のように記すことができる。 (1) 短時間の植物応答の計測については、光合成速度,水ポテンシャル,気孔抵抗,気孔コンダクタンス,葉温につき実行した。グロースキャビネットにおいてはステップ応答などの基礎的データの実測値を、ガラス温室においては日変化などの基本的データをそれぞれ求めることができた。 (2) 以上のデータからシステム同定を行った。システム同定は、グロースキャビネットにおいてはスペクトル解析を用い、ガラス温室においては時間領域における解析を用いた。これらの解析結果から、ミカンとマングローブの類似点及び相違点が多面的にえられた。 (3) 以上の解析における諸特性を形態学的に裏付けるため顕微鏡的手法を用い、ミカンおよびマングローブの気孔の数,大きさ,開度面積及びワックス量を細かく観察し、検討した。 (4) ミカンについては、環境制御における生育特性を解明するうえで、加温ビニールハウスにおける生体機構の解明にも触れ、高品質,多収穫を実現する形態学的特性と、短時間の計測とそれに基ずく解析とを比較検討した。 (5) 以上、ミカンとマングローブを比較検討することで、これら亜熱帶木本性植物の生理生態面と形態面の両者から生体機構の解明を試みた。ミカンのハウス化、養液栽培化や、マングローブの北限拡大を期する造林に、多くの有効なデータと知見を還元できよう。
|