研究課題/領域番号 |
58450062
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
速水 融 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (40051164)
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研究分担者 |
新井 益洋 慶應義塾大学, 産業研究所, 教授 (10051773)
西川 俊作 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (30051262)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1984
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1984年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1983年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 近世日本 / 濃尾地方 / 人口 / 出生 / 死亡 / 結婚 / 移動 / 家族 |
研究概要 |
第I部において、濃尾地方全域を対象とする史料を用いて、人口、世帯数、村高、牛馬数等の変化、および、それぞれの比率の変化を通じて、地域内部のそれぞれの小地域の特性を検出した。その結果の一部として、江戸時代を通じて、牛馬数が減少し、人口は増え、農業生産に投げられるエネルギ-源が、畜力から人力に変わったこと、この変化を「勤勉革命」として解釈できないだろうか、という仮説を提示した。 第IIにおいては、複数の農村の宗門改帳を用いて、濃尾地方の農民の結婚、出産行動について家族復元を適用し、詳細な観察を行った。また、良質の情報が得られる西濃4ヵ村の宗門改帳から、農民移動を明らかにした。 第III部では、長期に亙る史料の利用可能な、尾張国神戸新田、美濃国飯沼村、美濃国西条村について、詳細な人口学的指標の検出を行った。出生・死亡・結婚・移動といった人口動態について、信頼度の高い指標を得ることが出来た。例えば、移動に関して、農民の地理的移動と、階層間移道が組み合わされた一つのメカニズムが機能していたことが確認された。上層農民は、出稼率が低く、結婚年齢が低く、出生数が多く、継承しなかった子供は分家を創出する。下層農民は、非常に出稼率が高く、結婚年齢が晩く、出生数が少なく、しばしば継承者を失って絶家する。村内での下方移動と、下層農民の子女の都市への移動が組み合わさり、社会構成は変わらない。 第IV部では、上記西条村における世帯の継承と相続について観察し、それが長男の単独相続一色ではないことを見出した。また、知多半島の一村落の史料から、家屋の形態と世帯の構造について、観察を行った。 今後に残された問題として、収集史料をさらに広く、深く利用し、最近における歴史人口学や地域研究の新しい手法を導入する事によって、世界でも屈指の良質の史料を駆使した研究が望まれる。
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