研究課題/領域番号 |
58480278
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
折田 薫三 岡山大学, 医学部, 教授 (20033053)
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研究分担者 |
田中 紀章 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10127566)
阪上 賢一 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (40124789)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1984
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研究課題ステータス |
完了 (1984年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1984年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1983年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | LAK細胞 / インターロイキン2 / ノイラミニダーゼ / IL-2徐放製剤 / 転移性肝癌 / インドメサシン |
研究概要 |
LAK療法における大量のIL-2とLAK細胞の投与は腎癌や悪性黒色腫の転移病巣の縮小をもたらすことができるが、その効果は少数の患者に限られている。LAK療法の効果増強のためには、a)LAK細胞の腫瘍組織到達性の改善、b)LAK細胞の殺腫瘍細胞活性の増強、の研究がなされなければならない。 LAK細胞は腫瘍組織に到達しにくい性質を有している。肝腫瘍に対してはLAK細胞を動注することにより一定の臨床的効果を得ることができた。末梢静脈よりLAK細胞を投与して同様の効果を肝腫瘍に対して得るためLAK細胞の肝集積性を高めなければならない。LAK細胞のノイラミニダーゼ処理はマウスの実験モデルにおいてLAK細胞の肝における被捕捉率高め、肝転移の減少、生存期間の延長をもたらすことができた。 LAK療法に用いられるIL-2の全身投与の副作用を克服し、in vivoにおける効果的なLAK活性の誘導・維持を計るため、新しい生体内吸収性IL-2徐放製剤の開発を行った。IL-2ミニペレット(IL-2mp)の腫瘍近傍投与はマウスの固型癌に対し明らかな抗腫瘍効果を発揮した。またIL-2mpの脾臓内投与はマウスの転移肝癌実験モデルにおいて肝転移の減少と生存期間の延長をもたらすことができた。これらの抗腫瘍効果はin vivoにおけるLAK細胞の誘導と腫瘍近傍への集積によるものであることが推定された。 プロスタグランディンは担癌生体におけるナチュラルキラー活性減弱の主要な原因の一つであると考えられている。プロスタグランディン阻害剤であるインドメサシンとIL-2の併用は腫瘍の発育の抑制と生存期間の延長をもたらすことがマウスにおいて確認された。 以上の研究結果はLAK療法の改善に向けて有力な手段を提供するものである。
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