研究課題/領域番号 |
58480344
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
寺山 吉彦 北海道大学, 医学部, 教授 (90000976)
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研究分担者 |
加藤 正道 北海道大学, 医学部, 教授 (70000940)
松島 純一 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (60173829)
山川 宗位 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (70002334)
酒井 昇 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (10002271)
田中 克彦 北海道大学, 医学部, 助教授 (10004946)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1984年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1983年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 蝸牛神経 / ラセン神経節 / HRP注入 / キシロカイン / アスピリン / 上頚神経節 / 内耳交感神経 |
研究概要 |
蝸牛は音の感覚器であり、求心性の蝸牛神経、遠心性のオリーブ蝸牛神経束、交感神経が分布している。本研究の目的は、蝸牛神経線維またはラセン神経節細胞に微小ガラス管電極を刺入して電気生理学的に音による活動電位の測定と神経の固定を行うと共に、細胞内にHRPを注入して神経線維を染色し、その分布と走行を観察しようとするものである。その結果、ラセン神経節細胞の自発放電頻度は平均48.9発1病(標準偏差30.5)であり、スパイク間隔ヒストグラム、自発放電頻度、変動係数を単一蝸牛神経線維と比較し、差はみられなかった。さらに蝸牛神経単一線維の自発放電と電気刺激に応答するスパイクに対するキシロカイン静注およびアスピリン投与の影響を観察し、これらが蝸牛有毛細胞のみでなく蝸牛神経にも直接作用してその最小域値を上昇させることを見出した。 組織学的研究では、HRPをラセン神経節細胞内に注入することは数回のみ成功したが、神経線維の追求までに至らなかった。しかし、蝸牛に分布する交感神経とその起始に関する電顕的組織化学的研究として、一側蝸牛の鼓室階にHRPを注入すると、同側上頚神経節にHRP陽性細胞がみられ、しかも散在性であることが興味深い。逆に、一側上頚神経節内にHRPを注入すると、同側の前下小脳動脈や蝸牛軸血管の周囲の交換神経線維および骨ラセン板内蝸牛神経間の無髄神経線維のaxon内にHRP顆粒が認められた。これにより、蝸牛内およびその支配動脈周囲に分布する交換神経は同側上頚神経節の神経細胞から始まっていることが証明された。ラセン神経節細胞は二重の骨壁に包まれているので、ガラス毛細管電極を一定時間刺入し保つことは極めて困難であるが、現在もなお挑戦しつつある。
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