研究課題/領域番号 |
58850022
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城野 政弘 大阪大学, 工, 教授 (20029094)
|
研究期間 (年度) |
1983 – 1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1984年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1983年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | 走査電子顕微鏡 / マイクロコンピュータ / 疲労試験 / 実時間観察 / 画像処理 / 疲労き裂進展 / き裂開口変位 / き裂進展機構 |
研究概要 |
電界放射形走査電子顕微鏡の走査線掃引信号を、マイクロコンピュータにより、顕微鏡内に組込んだ疲労試験機駆動信号と同期して制御することにより、最高0.2Hzの繰返し荷重下での疲労現象の動的な実時間観察ならびに写真撮影を可能とした。また、さらに迅速かつ客観的な観察と計測を行うため、顕微鏡の2次電子線信号をトランジェントメモリにより高速A/D変換し、コンピュータに取込み、記録するとともに、簡単な画像処理技術の開発を試みた。この結果、繰返し速度1Hz下での観察画像の取込みが可能となったが、最大、最小荷重時など連続した画像の取込みはデータ転送の時間的制約から現状では0.1Hz程度の繰返し速度で可能である。 応用例として、一方向性珪素鋼板を用いた疲労き裂進展試験を行い、実時間観察を通じて疲労き裂進展機構について考察するとともに、疲労き裂開閉口挙動、き裂進展速度、進展方向や微視的なき裂先端開口変位の計測を行い、これらの間の定量的な関係を明かにした。また高-低2段変動荷重試験におけるき裂進展の遅延について、荷重変動時のき裂進展挙動、き裂進展速度とき裂先端開口変位、進展方向などとの関係について検討を行った。さらに、き裂輪郭線抽出、き裂縁パターン認識などの画像処理技術を通じて、き裂開口変位、除荷-負荷に伴うき裂縁変位挙動あるいはき裂進展速度の自動計測を行った。これらの計測結果は写真撮影による測定結果とよく対応した。 以上のように本研究では、開発した疲労現象の実時間観察法や顕微鏡画像のコンピュータへの取込みおよびその画像処理技術を通じて、疲労き裂進展におけるミクロとマクロの対応づけに関する重要な多くの知見を得ることができたが、本手法は疲労の研究のみならず、微視的変形や破壊など動的荷重下での材料強度研究においても今後きわめて有力な手段となるものと期待される。
|