研究課題/領域番号 |
58850055
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
御子柴 宣夫 東北大学, 電通研, 教授 (70006279)
御子紫 宣夫 (1985) 東北大学, 電気通信研究所, 教授
|
研究期間 (年度) |
1983 – 1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1985年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1984年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1983年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
|
キーワード | AlN膜 / 零温度係数 / 弾性表面波 / 通信用IC |
研究概要 |
高性能の小型デジィタル通信器開発において、零温度係数をもつ弾性表面波素子と半導体素子を集積化する技術が望まれている。最近とくに超高周波帯(>1GHz)で、スペクトラム拡散通信などに要求されるように、温度特性の安定な超小型のRF回路用ハイブリッドICの開発が望まれている。 本研究は、我々によって開発が進んだ新しい材料であるサファイアまたはシリコン基板上のAlN膜の複合材料を使った、上記要求の零温度係数をもつRF回路用ハイブリッドICの開発を目的としている。 我々は、以下の2段階の目標のもとに研究を進めた。 (1)AlNエピタキシャル膜の膜質が素子特性に与える影響の詳細な検討を行ない、実用化のための材料評価を行なった。その中で、特に問題であるのは、AlN膜上に製作した弾性表面波素子の温度係数のバラツキである。この原因は、AlN膜中の酸素不純物が影響している事を示すオージェ分析によるデータもあるが、今後、成長系の高純度化をふまえた上での徹底的なチェックがさらに必要である。 (2)次に、成長温度の低温化と超高周波帯のRFハイブリッドICの基本形の基礎開発を行なった。その結果、減圧、プラズマCVD法ともに現在850℃以下まで成長温度を低下させることに成功しており、シリコンプロセスとの整合性が得られている。RFハイブリッドICの例として、SOS-AlN構造を用いて、1GHz帯スペクトラム拡散通信用one-chip復調器を提案し、その基本特性を検討した。 以上の結果より、AlNエピタキシャル膜の結晶性向上と安定性向上により、目標とする「零温度係数をもつGHz帯RF回路用ハイブリッドIC」が実現され、その成果によって移動体用小型通信技術に与える影響は大きいと確信する。
|