配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1983年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
58,59年度に引続き、最終年度の研究をすすめた。本報告では、今年度の成果と58,59年度の成果をあわせて総合的に述べる。 得られた成果をまとめると次のようになる。 (1) 電気化学分析の手法を適用して、溶融ハロゲン化物中の酸化物イオン、水分などについて、その存在形態や挙動を定量的に把握した。また、この結果にもとづいて、溶融ハロゲン化物の精製条件についての指針を得ることができた。 (2) 安定化ジルコニア-空気電極が溶融ハロゲン化物中の酸化物イオンセンサーとして有効に作動し得ることを確かめ、また、その作動機構についても明らかにすることができた。この研究の過程において、耐食性にすぐれ、応答速度の速いジルコニア固体電解質を開発することができた。 (3) 溶融ハロゲン化物中での酸化物生成反応が上記センサーを適用することによって定量的に追跡できることを確認し、溶解度積の測定、電位-【pO^(2-)】図の作成、等の方法論を確立した。 (4) ZnO,【Al_2O_3】,【ThO_2】,【VO_2】,等の酸化物を合成し、また、それぞれについての溶解度積を求めることができた。 (5) 酸化物生成反応を肉眼観察し、生成した酸化物を単離し、これをX線解析にかける、等の一連の手法を確立した。 (6) 複数の原子価をとる金属元素の挙動を明らかにするための電気化学的手法を確立した。 (7) 本研究の過程において、高融点金属のオキシアニオンが溶融ハロゲン化物中に相当量溶解し得ることを見出し、この現象を利用してタングステンやタングステンカーバイド等を電析によって得ることができた。本研究の波及的成果として今後の展開が期待できる。
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