研究課題/領域番号 |
58850192
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高松 武一郎 京都大学, 工, 教授 (00025785)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1983年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | ポピュレーションダイナミックス / 計算機援用制御 / 品質制御 / 比増殖速度の推定と制御 / 混合培養 |
研究概要 |
本研究では微生物反応プロセスを微生物集団として把え、この集団の挙動、即ちポピュレーションダイナミックス(以下PDと略す)を考慮した微生物反応の操作に関する方法論を展開する。次の三つのサブテーマの下に研究を進め体系化を計った。 1.)混合培養系の安定性および制御:混合培養系の制限基質濃度起因による安定性解析に、溶存酸素濃度の影響をも加味したモデルを考察し、両者の混合培養系に与える影響について検討した。またこのモデルを適用し、活性汚泥プロセスにおける低基質濃度の場合や、高基質濃度、低溶存酸素濃度の場合のバルキング現象を平衡点の安定性から説明でき、またその対策を立てることができた。 2.)醗酵プロセスの品質制御とPD:シミュレーションにより最適品質制御がどのような制御系により達成できるかを検討した。制御系としては流加培養系特有の一つの制御系構造を提案し、その中で用いられる補償器として適応制御を用いることを考えた。数値計算の結果、よい制御性能が得られたが、補償器として構成が簡単な従来型の比例積分制御でもある程度の性能が得られることがわかった。従って、これらを要求される性能によって使い分けるのが良いことがわかった。 3.)醗酵プロセスの計算機援用品質制御:比増殖速度を推定する機構について考察し、それをパン酵母培養実験に適用した。本年度は菌体低濃度域において、自動サンプリングした菌体濃度より比増殖速度が十分高精度に推定できることを確かめた。更にこの比増殖速度を希望の値、又は希望のパターンに沿うように、2.)で与えた制御系を組込んで実験した。その結果、我々が提案した制御系は良好な制御結果を与えることがわかった。即ち、より出芽率の低い、高品質の菌を生産する方法論の確立に成功した。
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