研究課題/領域番号 |
58850197
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応工学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
大沼 浩 (1985) 秋田大学, 鉱山 (50005279)
大橋 弘保 秋田大学, 鉱山学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1983年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 石油ピッチ / 水素化処理 / 鉄鉱石 / 脱硫 / 脱メタル / アップグレーディング |
研究概要 |
安価な鉄鉱石粉末を添加物として用いることにより、加圧水素気流中、適度の温度条件下でアスファルト、ピッチを処理し、固体生成物中の硫黄、ニッケル、バナジウムを低減させ、かつ軽・中質油も或る程度得ることのできるプロセス開発を行うことを目的として行った表記研究の最終年にあたり、本年度は昨年度試みた生成チャー中のニッケル定量に引き続き、生成チャー中の有機バナジウム定量を行うと同時に副生油に関する諸特性分析を行い、かつ昨年度得た炭化水素系媒体油中での鉄鉱石の水素還元結果とこれまでに得たアップグレーディング効果との関連について考察を加え、プロセス全体を評価することを目的とした。まず、アップグレーディング効果を全体的に要約すると、オートクレーブを用い、水素圧1〜100気圧、定流量下、5〜30℃/minの昇温速度、最終到達温度394〜580℃に達した後さらに適当時間その温度に保持する操作法により、生成チャーの脱硫率として最高90wt%以上(原料ピッチ基準、生成チャー基準で80wt%以上)が得られた。水素圧30気圧における詳細な検討により、生成チャーの脱硫のみならず、脱ニッケル及び脱バナジウム(無機化)も起っていることがわかった。副生油は鉄鉱石を添加してもその性状が添加しない場合とほぼ同じで軽質油及び中質油に相当した。次に水素化処理の反応過程と酸化鉄の還元及び硫化過程の関連を詳細に検討する目的で、マイクロリアクターを用い、三種の炭化水素系媒体油中での鉄鉱石の水素還元及び硫化を行った。還元過程は自己触媒型の逐次反応を含む反応モデルにより良く模擬でき、一方硫化反応の初期過程を詳細に検討した結果、硫化反応はマグネタイトからさらに還元が進行する領域で促進されることがわかった。この結果、ピッチ中の硫黄、ニッケル、バナジウムと鉄鉱石の相互作用がマグネタイトからさらに還元が進む領域で重要であることが示唆された。
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