研究課題/領域番号 |
58860012
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壌・肥料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和田 光史 九州大学, 農, 教授 (90038159)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1984年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1983年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 重粘土 / 水田土壌 / ヒドロキシアルミニウム / 土壌改良剤 / 土壌粒子集合体 / 土壌の透水 / 土壌の塑性 |
研究概要 |
ヒドロキシアルミニウムの土壌物理性改善効果としては、耐水性土粒子集合体(団粒)の増加と透水性の増加が明らかに認められた。しかし、pF1.5〜2で土壌が保持する水分含量、有効水分含量、及びコンシステンシー(液性限界値、塑性限界値、塑性指数)に対しては、一定の効果は認められなかった。一方、耐水性団粒の増加が著しいときには、土壌の力学的性質のうち、付着力、あるいは付着力/せん断強度の減少、また圃場で測定された砕土率の上昇が明らかであった。畑作物の生育に対しても、団粒形成の効果が明らかであった圃場では、大麦、大豆の栽培で増収効果が認められた。 ヒドロキシアルミニウム効果発現には、1.アルミニウムイオン種、2.施用量、3.土壌の種類(畑と水田、表層土と下層土、粘土含量、粘土鉱物組成、陽イオン交換容量)、4.土壌の水分(乾燥)、5.施用後の除塩及び酸度矯正、6.作物の栽培などが影響を及ぼすことが明らかにされ、とくに施用前後の土壌の乾燥が効果発現に重要なこと、施用直後の効果発現には土壌の粘土含量が粘土鉱物組成よりも大きな影響を与えること、作物の栽培に関しては畑作では効果の持続が期待できるが、水稲作では効果の消失が速かな土壌と持続する土壌があることが示され、この差異は土壌の粘土鉱物組成の差異と対応することが示唆された。 ヒドロキシアルミニウムの施用については、適用土壌をスメクタイト、バーミキュライトを含み、陽イオン交換容量15meg/100g以上の土壌とし、施用量をAlとして100〜150kg/10a、施用を水田では落水後の土壌をできるだけ乾燥させ得る時期に行い、施用後の塩類洗脱には100〜150mmの降雨あるいは潅水で充分であり、アルカリ資材の添加による土壌反応の矯正は、塩類洗脱後に行い、この逆を避けることなどを結論した。
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