研究課題/領域番号 |
58870029
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 日本大学 (1985) 国立予防衛生研究所 (1983-1984) |
研究代表者 |
志方 俊夫 日本大学, 医, 教授 (50009932)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1984年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1983年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 非A非B型肝炎 / モノクロナール抗体 / Monoclonal antibody |
研究概要 |
非A非B型肝炎のウイルスはまだ見付かっていない。ウイルスを探す手掛かりになる抗原抗体系の確立もなかなか困難である。それは恐らく非A非B型肝炎は成人が感染してもその1/3が慢性化することとも関係しているとも思うが抗体の反応を含めた免疫反応がB型肝炎などよりはるかに弱いと思われる。従って非A非B型肝炎患者の回復期の血清をそのまま抗体として血清中に抗原を探しても抗原抗体系をつかむことは極めて困難なのであろう。次に考えることは血清よりよりウイルス抗原を大量に含んでいると推定される肝臓で抗原を探すことであろう。我々は非A非B型肝炎患者の肝臓の抽出液に回復期患者の血清と反応する抗原を見出しかりにAN 6520抗原抗体系と呼んで検索したが結局ある種の自己抗体という結論に達した。次のステップは非A非B型肝炎では抗体産生は極めて弱いにしても何処かにウイルス抗原に対するメモリーを持ったBリンパ球があるに違いなく、それをモノクロナール抗体として取ることは出来ないかということであった。このアルバイトヒポテーゼに従って非A非B型肝炎に感染したチンパンジーのリンパ球をEBウイルスでトランスフォームし、その中から非A非B型肝炎に関連したモノクロナール抗体を感染したチンパンジーの肝臓を抗原として螢光抗体法でスクリーニングしていったのである。 結局非A非B型肝炎に感染したチンパンジーの肝細胞のmicrotubular aggregateに反応するモノクロナール抗体をとることに成功した。しかしmicrotubular aggregateはウイルスの遺伝子で読まれている蛋白とは考えにくく、さらにウイルスの遺伝子で読まれている蛋白にたいするモノクロナール抗体をとるべく努力している。しかし我々の確立した抗体はヒト患者のリンパ球からも同じものがとれ、また非A非B型肝炎に非常に特異的であるので少なくとも診断には利用できる有用なモノクロナール抗体と思われる。
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