研究課題/領域番号 |
58870033
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 東京大学 (1985) 大阪大学 (1983-1984) |
研究代表者 |
竹田 美文 東京大学, 医科研, 教授 (30029772)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1983年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 毒素原性大腸菌 / 耐熱性エンテロトキシン / STh / STp / 合成ST / モノクローン抗体 / competitive ELISA |
研究概要 |
毒素原性大腸菌は、60℃10分の加熱によって失活する易熱性エンテロトキシン(LT)と、100℃10分の加熱によっても失活しない耐熱性エンテロトキシン(ST)の2種類の下痢原因毒素(エンテロトキシン)を産生して、ヒトに下痢を起こす。このうちLTについては、簡易検出法が開発されているが、STの検出法は乳のみマウスを用いる方法しか利用できず、簡易検査法の開発が待望されていた。本研究は、ヒトに下痢を起こす2種類のSThおよびSTpについて、その構造、物理化学的性状、免疫学的性状を明らかにするとともに、それらの基礎データを基にして、簡易検出法を開発することを目的として行ない、以下の成績を得た。 1.STh、STpはそれぞれ19個、18個のアミノ酸から成るペプチドであることを明らかにし、それぞれのアミノ酸1次構造を決定した。 2.決定したアミノ酸1次構造に従い、STh、STpを化学合成した結果、合成STh、合成STpが天然の標品と同じ生物活性、免疫活性を持つことを示した。 3.STh、STpの短鎖アナログを化学合成し、STの生物活性に必須の13個のアミノ酸から成るペプチドを決定した。 4.SThに対するモノクローン抗体を調製し、このモノクローン抗体がSThおよびSTpの生物活性を中和するとともにELISA法で同程度に反応することを確かめた。 5.合成STを固相に用い、上述のモノクローン抗体を利用したcompetitive ELISA法を開発し、この方法が1ng/ml以上のSTh,STpを検出できることを示した。 6.合成STとモノクローン抗体を組合わせたST検出用キットを試作し、これがST産生性大腸菌の検出に有用であることを示した。
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