研究課題/領域番号 |
58870095
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
増原 英一 東京医科歯科大学, 医器研, 教授 (00013772)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1983年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 顎顔面補綴材料 / 含フッ素高分子 / 三元共重合体 / 吸水量 / 機械的強度 |
研究概要 |
1.含フッ素高分子の諸性質 フッ素化合物の化学安定性や撥水撥油性に着目して、各種のメタクリル系のフッ素化合物を合成し、重合させて補綴材料としての基礎的な性質を検討した。その結果、高分子をフッ素化することにより、比重は大きくなり、屈折率、かたさ、吸水量は低下する傾向を示した。フッ素化により硬化補綴物の吸水による機械的強度の低下が抑制され、また各種の蛋白質の吸着量が低下することから、耐汚染性が向上すると考えられた。 2.軟質ポリフルオロエチレンの調製 フッ素化した軟質高分子として、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレンの三元共重合体であるポリフルオロエチレンを合成した。この高分子は各種の溶媒に可溶であり、また機械的強度も優れているので、シート状あるいはコーティング材としての使用が試みられた。また分子量の低いポリフルオロエチレンに重合性のメタクリル基を導入したモノマーを新たに合成し、化学重合型や光重合型の開始剤を用いてこのモノマーを重合させると容易に成型体が得られることが明らかになった。 3.軟質ポリフルオロエチレンの応用 試作軟質ポリフルオロエチレンの生物学的な安全性を調べる目的で、シリコーンゴムを対照とした溶血性試験や細胞培養試験、およびラットを用いた皮下埋入実験を行なった。その結果、この高分子が生体内で長期間に亘って安定であり、組織為害性も少ないことが確認された。さらに、この高分子を臨床の場において、義歯床の軟質裏装材や粘膜調整材用のコーティング剤、上顎悪性腫瘍治療後の欠損腔の栓塞体などに応用したところ、良好な結果が得られ、顎顔面における軟組織の補綴材料として有望な素材であると結論された。
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