配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1984年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1983年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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研究概要 |
本試験研究は節水,環境保全,省エネルギーおよび安全性などの問題を踏まえ、保健衛生面の改善,洗浄力の向上,衣類の損傷・劣化の軽減,室内の騒音防止などを目的とした衣類の泡沫洗浄装置の試作研究である。泡沫洗浄は現状の機械力に大きく依存した高浴比、冷水・低温洗浄方式(浴比1:30,洗剤40〜50g/30l,常温〜40℃)の液侵型の渦巻式洗濯機による洗浄と異なり、洗液から送気法で発生させた泡沫による機械力の著しく弱い超低浴比の中温洗浄方式(浴比1:2〜3,洗剤5〜10g/2〜3l,50〜70℃)で被洗物と洗液を分離することを特徴としている。本年度は最終年度に当たるため昭和58年度、59年度の研究成果をもとに泡沫洗浄装置の完成と泡沫物性に最も関係の深い気/液界面の表面張力すなわち泡膜の表面張力について動的に測定するための装置を設計,試作し,各種界面溶性剤水溶液の膜特性について検討した。その結果、空気流量に対して直線関係を示す泡沫内部圧(膜曲面に加わる圧力【P_1】と膜液通過時の損失圧【P_2】との和すなわち泡膜が布を通過する前後の差圧で表わされ、泡沫/繊維基値間の摩擦力などの機械作用に関連する因子)は泡化液量(布中を通過する泡膜中に含まれるバルク洗液量)とともに洗浄性に大きく寄与することが明らかになった。また59年度型泡沫式洗濯機においては洗浄むらの減少や洗浄時間の短縮などを目的とした洗濯槽の内槽(外壁全面に泡濯を吹き出すことのできる20〜50%開孔率のステンレス製板を使用)の有効性が認められた。また泡膜の表面張力の動的変化を測定する試作装置によるアニオン界面活性剤の泡膜の表面張力についてみると界面活性剤のバルク洗液濃度の増大とともに低下し、平衡状態におけるバルク洗液の表面張力の変化とほぼ同じ傾向を示すが、崩壊直前の薄膜状態ではバルク洗液より約10dyn/cmほど高くなることが認められる。
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