研究課題/領域番号 |
59065001
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小嶋 稔 東大, 理学部, 教授 (20011471)
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研究分担者 |
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30011745)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
112,600千円 (直接経費: 112,600千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1984年度: 89,600千円 (直接経費: 89,600千円)
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キーワード | 希ガス同位体比 / 地球進化 / 大気起源 / ダイヤモンド / 宇宙塵 / 希ガス |
研究概要 |
1.マントルの希ガス状態 約30ケのダイヤモンドにつき【^3He】/【^4He】および5ケのザイール産キュービックダイヤモンドについてNe同位体比測定を行った。He同位体比測定は、これまでの結果と同様、(【10^(-7)】〜【10^(-4)】)であったが、【^(20)Ne】/【^(22)Ne】=11〜13で明らかに大気Heと異なる。さらにNe同位体比のバラツキは、大気Neの混入によるものと思われダイヤモンドがトラップしたマントル起源のNeは、【^(20)Ne】/【^(22)Ne】=13の値を持つことが分った。これまでの【^3He】/【^4He】同位体比測定結果ともあわせて考えると、地球は"ソーラー希ガス(Solar type noble gas)"を取り込んだ可能性がますます強くなってきた。もしこの結果が正しいとすると地球起源に重要な制約条件を課することになる。 2.地球圏外希ガス 約100ケの深海底泥につき、【^3He】/【^4He】同位体比測定を行った。その多くは【^3He】/【^4He】は【10^(-4)】以上で、地球物質より一桁以上高い値を示す。この結果は、深海底泥中には0.1〜10ppm程度の宇宙塵(サイズ<10μm)が混入しているとして、うまく説明できる。さらに希ガスが特に濃縮している磁性成分を分離し、段階加熱ー質量分析等の実験を行った。この結果、宇宙塵にトラップされている希ガスは【^3He】/【^4He】=(1.8±0.4)×【10^(-4)】,【^(20)Ne】,【^(22)Ne】=11.6±0.6の値を示し、太陽フレアの成分に近いことが確認された。 3.Xe同位体比と地球進化 これまで発表された地球物質中のXe同位体比データをまとめ、これに基いて地球進化の議論を試みた。この結果【^(129)Xe】/【^(136)Xe】比から、マントルの一部(たぶん下部)には、上部マントルー地殻系とは独立な、"始源的"マントルが存在していることが結論できた。
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