配分額 *注記 |
259,000千円 (直接経費: 259,000千円)
1987年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1986年度: 27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
1985年度: 90,000千円 (直接経費: 90,000千円)
1984年度: 125,000千円 (直接経費: 125,000千円)
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研究概要 |
本研究の目的としたところは, 蛋白質による核酸の識別機構の解明である. 標的蛋白質としてRNA中のグアニン塩基を特異的に認識しホスホジエステル結合を切断するRNaseT_1, およびオペレーターDNA(λO_R3)に結合して遺伝子発現を調節する制御蛋白質(λcro)を主に取り上げた. 1.X線結晶構造解析. (1)RNaseT1-2'GMP複合体(1.9〓分解能)ならびにRNaseT_1-3'GMP複合体(2.6〓分解能)の構造を決定し, RNaseT_1の基質認識部位を初めて明らかにした. (2)RNaseT_1と基質アナローグ2'フルオロGpU複合体の結晶化を行なった. (3)RNaseT_1のアミノ酸変換体と2'GMP複合体の結晶化を行なった. (2), (3)については更に立体構造を解析中である. 2.RNaseT_1遺伝子の合成, 発現ならびに変換体の構造活性相関. (1)化学合成デオキシオリゴマーを用いRNaseT1遺伝子を合成し, 大腸菌での発現システムを作成した. (2)X線結晶解析による立体構造をもとに20種以上のアミノ酸変換体を作成し活性と構造の関係を調べた. 基質認識にはTyr^<42>とTyr^<45>のスタッキング効果, ならびにAsn^<43>,Asn^<44>,Glu^<46>との水素結合が重要であることを実証した. 又, 従来の反応機構を覆すHis^<40>, His^<92>が直接関与する新しい反応機構を呈示した. 3.オペレーターDNAとλ-cro蛋白質の相互作用. (1)オペレーターDNA, λO_R317mer,φ80O_R219mer,CRP結合部位22merを化学的に合成した. (2)recAプロモーターを利用し, 大腸菌での大量調製系を作製した. NMR測定により表面に露出した残基を同定し, 50°C付近で2量体の解離と変性の起こることを明らかにした. (3)NMRによる解析でcro蛋白質の結合によりO_R3が中央で屈曲すること, cro蛋白質自体も2量体構造がゆるむことを明らかにした.
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