研究課題/領域番号 |
59310036
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松崎 巌 (1988) 東京大学, 教育学部, 教授 (60012580)
松崎 厳 (1984-1986) 東京大学, 教育学部, 教授
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研究分担者 |
前之園 幸一郎 青山学院女子短期大学, 教授 (20062292)
倉内 史郎 東洋大学, 文学部, 教授 (30057947)
鈴木 寿雄 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90114165)
原 正敏 千葉大学, 教育学部, 教授 (50012216)
斎藤 健次郎 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90007930)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1984年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 職業教育 / 学校制度改革 / 後期中等教育 / 総合制学校 / 技術教育 / 産業教育 / 職業指導 |
研究概要 |
学校における職業教育は衰退しつつあると言われ、中には上級中等段階は職業教育を排除して普通教育的なものにすべきだと主張する者もいる。この傾向は一直線に進むもので後戻りできないものであるのだろうか。もし、それが現実としても、中等教育から職業的な要素を無くすことがはたして社会にとって好ましいことであろうか。本研究では、特に中等段階における職業教育の問題を産業教育・比較教育の観点から調査し考察した。外国の状況については文献・資料の収集と分析を主としたが、国内の職業教育については訪問・調査を行い、学校現場の現状把握に努めた。外国班の研究から、欧米諸国においても総合制中等教育をめぐって日本と類似した問題が存在すること、しかし、その概念、実施形態を細かく検討すると微妙に違っていることが明らかとなった。その違いは、個々の国で産業構造、学校外の職業訓練機関の存在、地域の歴史性・文化的特質などが異なることに基づいている。一方、ほとんどの国々では職業教育は今なお教育制度の中等段階において構造的に適合しており、日本の状況は世界的な動向の中では突出している点が明らかとなった。現在のところ、他の国々が日本と同じ方向に進むかどうかははっきりしない。また、日本国内においても産業構造は地域により異なり県外流出入や中心性一周辺性の問題を存在するため、職業教育の問題も地方もしくは地域に視点を置いて捉え直す必要がある。しかし、地域教育計画の策定も昭和20年代後半の状況とは異なっており、国際経済、地域産業の要請に応えるだけでなく、「生活」の将来を見据え職業技能の習得に関する教育学的な検討を十分に行う必要がある。また、産業構造の変化に追随する形で中等教育段階から職業教育を排除していくことには慎重でなければならないであろう。
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