研究課題/領域番号 |
59370017
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 東京大学 (1985-1986) 大阪大学 (1984) |
研究代表者 |
竹田 美文 東大, 医科学研究所, 教授 (30029772)
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研究分担者 |
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60029808)
新井 正 千葉大学, 生物活性研究所, 教授 (30009419)
中野 昌康 自治医科大学, 医学部, 教授 (70048958)
加藤 巌 千葉大学, 医学部, 教授 (40012702)
下西 康嗣 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00029951)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1984年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 細菌毒素 / 細菌内毒素 / 生物反応修飾物質 / 下痢原因毒素 / 耐熱性毒素 |
研究概要 |
1)サイクリック又クレオチドを2次伝達物質として下痢症を起こす細菌性下痢原因毒素の作用機構の解明を行った。サイクリックGMPを介して下痢を起こす毒素原性大腸菌耐熱性エンテロトキシンSTはサイクリックGMP依存プロティンキナーゼによるリン酸化反応を必須とし、その結果、腸管細胞の3種の蛋白にリン酸化が認められることがわかった。さらに、サイクリックAMPを介して生物学的反応を惹起するコレラ毒素においても、同じ蛋白がリン酸化され、下痢の機構を解明する上で興見ある知見が得られた。こうした、リン酸化反応を介して生物学的反応を惹起して白血球を崩壊せしめる緑膿菌ロイコシジンの作用機作も解明できた。すなわちこの細菌毒素は白血球膜受容体に結合したのち、【Ca^(2+)】の代謝を活性化し、【Ca^(2+)】依存のリン酸化反応を惹起させてライソゾーム顆粒の崩壊、死に致しめる機構であった。 2)細菌毒素の構造と機能については、種々病原細菌由来の耐熱性エンテロトキシンの構造比較から、細菌の種を越えた共通の構造が必要であることが解明され、そうした構造比較は他の耐熱性毒素である腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒の研究にも応用検討された。また、構造と活性の解明がなされたコレラ毒素について、ワクチン開発の基礎的知見が得られた。 3)グラム陰性菌細胞壁成分LPSは、生体防御系に関与し、活性化されたT細胞に作用して分裂を促進しI-2の産生を増加させた。BCG感作T細胞やNK細胞に対してはIF-γを産生させる新知見を得た。生体防御系への作用はさらに制癌抗生物質が免疫担当臓器および細胞に対してどのような影響を与えるかしらべた。Saframycin Aは癌細胞障害作用と抑制性T細胞を除去する作用をもち、その活性は水和性側鎖に由来した。
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