研究課題/領域番号 |
59390010
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 哲也 東大, 海洋研究所, 教授 (70013571)
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研究分担者 |
川内 浩司 北里大学, 水産学部, 教授 (70050523)
長浜 嘉孝 基礎生物学研究所, 教授 (50113428)
石居 進 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90063528)
羽生 功 東京大学, 農学部, 教授 (20011835)
高橋 裕哉 北海道大学, 水産学部, 教授 (70001576)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1984年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | 魚類 / 回遊 / 浸透圧調節 / 生殖 / 行動生理 / 内分泌系 / 成長ホルモン・甲状腺ホルモン |
研究概要 |
本研究は回遊性魚類の生理学的特性を、(1)浸透圧調節(2)生殖と回遊(3)生殖機構(4)母川回帰の行動生理の4課題にわけ、その各々についての内分泌系の関与を明確にすることで、魚類の回遊現象を生態学レベルから分子レベルに至るまでの広い視野のもとに理解しようと試み、昭和59年度から三年間各年度12名の研究者の参画を得て研究を持った。その成果について以下に述べる。(1)浸透圧調節・プロラクチンは以前から魚類の淡水適応に重要であることが知られていたが、本研究で、加えて回遊に伴う生殖活動に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、成長ホルモンが、魚類の成長だけでなく、海水適応に重要であるという新知見が得られた。更にこれら両ホルモンの作用機作について、免疫組織学的手法、生理生化学的手法による祥細な検討がなされた。(2)生殖と回遊;本課題における内分泌系の関与についてはきわめて知見が少なかった。本研究によって、性ステロイドホルモンが、陸海回遊に伴う銀化、海水適応能の発達を抑制していること、逆に甲状腺ホルモンが陸海回遊を促進することが明らかとなった。実際に回遊が行われている場での研究から、この両ホルモンが実際に機能していることが明らかになりはじめた(3)生殖機構:魚類の卵成熟に関しては、生殖腺刺激ホルモンの刺激がステロイドホルモン,サイクリックAMP系を通して、卵黄形成,卵成熟を調節している機構が見事に立証された。また精子の活性化が、【K^+】,【Ca^(2+)】,HCO等のイオンに精子が応答し、精子内部のサイクリックAMD,プロテインキナーゼ,タンパク質のリン酸化を通しておこることが証明された。両成果は回遊魚の特性を見事に利用し、他の分野にさきがけて、新知見を得たとして評価される。(4)行動生理:広域にわたる回遊 例えば母川回帰と地磁気との関連、捕食行動と水中磁場との関連などの研究から魚類の行動の発現機構の研究に進展がみられた。
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