研究課題/領域番号 |
59410003
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
萩原 敏朗 (1985) 東北大学, 教, 助教授 (70004124)
不破 和彦 東北大学, 教育学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 総合農政 / 米生産調整 / 地域農政 |
研究概要 |
本研究は、1970年代以降の「総合農政」のもとで展開されてきた農政の浸透過程とそれに対する農民の対応を、意識と行動の次元で実証的に把えていくことを目的としている。われわれ共同研究グループは、この研究目的を達成するため、本研究期間中、福島県の北会津村(「米生産調整」政策)、霊山町(地域農政特別対策事業)、そして、三春町(農村地域工業導入)の三地域を対象に、それぞれの農政の展開と農業、農村の変動、そして、農民の農政に対する対応関係の把握を実証的に行なうことを試みてきた。本年度は、これら三地域のうち、前二地域に関しては、現地調査によって収集してきた資料をもとに、研究会を開き、研究成果のとりまとめの作業を行なってきた。さらに、福島県三春町に関しては、前年度の調査において不充分であった。町行政、農業改良普及所、農協をはじめとする既存の農業団体等関係機関を中心とした農政の推進体制や農村地域工業導入促進法の展開による農家経営、農家経済に与えた影響、さらには農民の対応をめぐって、行政、農業団体等関係機関の既存資料の収集、農家訪問による聴き取りの補充調査を行なってきた。これらの事例のうち、とくに研究成果のとりまとめの進んでいる北会津村 霊山町の事例の実証的研究によって得られた結論について述べておくならば、行政ならびに農業関係団体等の農政への主体的対応、「むら」の積極的活用、上層、中農上層農民を中心に据えた農民の組織化、さらには地域の農業構造等の諸条件等の諸要因の有機的関連が政策課題の達成に大きな役割を果しているといえる。反面、兼業農家化の促進さらに脱農業、農民化の傾向の増長などの問題を惹き起こしている。なかでも注目すべきは、広範な農民をとらえつつある農業に対する意欲の後退そして農業への展望の後退であり、今後に於いて現状以上に、農業、農村社会の維持、発展に危機を感じざるをえない。
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