研究課題/領域番号 |
59410010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大塚 初重 明治大学, 文, 教授 (00061771)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
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キーワード | 積石塚古墳 / 合掌形石室 / 群集墳 / 馬具 / 朝鮮半島 |
研究概要 |
本研究は、日本における積石塚古墳の歴史的な性格を解明することを究極の目的とし、調査対象として日本最大の積石塚古墳群である長野市大室古墳群を選定した。調査は、分布調査・墳丘と石室の実測・発掘調査から成り、今次調査は次の三点を実施した。 【◯!1】.分布調査は栗林紀道氏や駒沢大学の成果をもとに、現状確認とともに墳丘の構築法や石室の構造を調べて略測・写真撮映し、【◯!2】・【◯!3】の基礎資料とするとともに、群構成解明資料とする。大室古墳群中の大室谷支群は、10〜40基の単位群からなり、さらに各単位群は数種の石室をもつことが明解になった。 【◯!2】.古墳間の位置関係を正確に計測すると共に、墳丘と石室が良く遺存する例はこれを実測して単位群の成り立ちを知る資料とした。大室谷支群中の村東単位群12基についてこれを実施した。 【◯!3】.大室谷支群の盟主的古墳第244号墳と、小形の第220号墳の2基を発掘した。いずれも主体部中心の部分的調査であるが、馬具・鉄製武器・玉類・須恵器・土師器が発見され、石室構造を仔細に把握できたとともに古墳の性格や年代観を知る手懸りが得られた。第244号墳は6世紀後半、第220号は不詳ながら7世紀に下るらしい。 古墳の分布・測量・実測・発掘という一連の調査によって大室古墳群の形成過程や性格を知る基礎資料が得られたものの、今次調査分は分布調査で大室谷支群全体の1/4、実測・測量で1/10といまだ一部分に限られている。発掘資料も2基のみで、各単位群を構成する原理を知るには程遠いのが実情である。今後とも継続的に調査を実施して資料の蓄積をはかった上で、検討を重ねることがもっとも肝要である。なお積石塚という古墳構築と共に朝鮮半島との関連が説かれる合掌形石室については、分布調査で2基、実測調査が1基を把握したのみで、具体的に検討するまでには至っていない。
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