研究課題/領域番号 |
59410015
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済事情・政策学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
島崎 晴哉 中央大学, 経, 教授 (50054995)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 自動車産業 / 下請工業 / 農村工業 / 農村「地域」労働市場 / 兼業農家 / 農村高齢者 |
研究概要 |
これまで農村工業や今日の兼業農家の問題を解明する分析用具として我々は農村「地域」労働市場という考え方を適用してきた。調査研究分析の結果、この農村「地域」労働市場が近年新たな変動の過程にあることが確認されてきた。 この変動要因の一つは新技術革新である。この新しい技術はかつてのような大きな設備投資を必要としないため「地域」労働市場にも大量に導入され、そのため労働力移動の量と方向は大きく変わってきている。変化の第一は農村の都市への労働力供給の相対的な低下である。かつて都市へ大量に移動していた新卒労働力をも含めて「地域」労働市場への労働力供給が強められ、都市の労働市場と「地域」労働市場とは相互に「自立」な動きを示すかのようになってきたのである。 一方、農村が労働力の供給機能を相対的に弱めるなかで農村の労働力環流の機能は以前と同様に保持しつづけられており、そのため農村は全体として労働力環流の機能を比較的強く持たされるような事態になってきている。 このような農村「地域」労働市場の労働力基盤としての位置の変動のもとで、その変動の一つの典型として農村高齢者の問題が登場してきている。農村高齢者の問題は単純に寿命の延長という事態が生まれてきているのではなく労働市場における農村の位置変動から、当然の失業として農村部に高齢者が一方的に押しつけられ、推積させられた結果生じたものである。 しかもこうした一方的な押しつけおよび推積は農業経営の全般的な衰退化のなかで行なわれているのであり、そのため農村高齢者に生活や労働の上での困難がシワ寄せされ、このシワ寄せが再び農村「地域」労働市場の死重を形成することとなっている。このように「地域」労働市場の変動方向が本調査研究によって解明されてきている。
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