研究課題/領域番号 |
59420010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
邑瀬 和生 大阪大学, 理, 教授 (50028164)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
22,900千円 (直接経費: 22,900千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1984年度: 18,400千円 (直接経費: 18,400千円)
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キーワード | アモルファス半導体 / 結晶成長 / フォト・ドーピング |
研究概要 |
本年度の実績は次のような項目に分けられる。 (1)時間分解レーザー分光法により、ガラス半導体Ge【Se_2】の結晶化と回帰過程を、時々刻々観測することに成功し、光誘起・ガラス-結晶転移のメカニズムについて重要かつ新しい知見を得た。 (2)ガラス半導体Ge【Se-2】への銀,銅などの金属の光誘起拡散のメカニズムを同様の方法で研究するとともに、その補助実験を行った。 (3)結晶Ge【Se_2】にレーザーを照射し、ガラス化する過程と、結晶-ガラスの空間分布を(1)と同様の実験により研究した。 実験はアルゴンイオン,ダイ・レーザーを試料に照射し、同時に、この光によるラマン散乱分光を時々刻々観測する方法をとった。 分光は広帯域分光器とマルチチャネル測光システムを用いた。 本装置により、0.5秒で全スペクトルを採ることも可能で、当初の期待通りの性能を得た。 用いたレーザー光は1.8eV〜2eVで、試料に照射する光の強さは5〜70mWである。 結晶転移は光の強さに依存して、大概、3段階に分けられる。 低出力域では、一定の潜伏時間ののち、安定結晶(層状)が生長する。 中出力域では、層状結晶と新しい形態の結晶が、前後して生長する。 時間がたつと、層状結晶が優位となる。 高出力では、層状結晶のみが、光照射の初期の段階から生長する。 銀や、銅の光誘起拡散による効果も同様に研究された。 以上の結果は、ガラスの中距離秩序が層状結晶の断片を修飾、変形したものだとするモデルを支持する。 これらの成果は、ガラスの物理、ガラス-結晶転移、光誘起構造変化の応用等に、大きな影響を得えるもので、内外にその結果を発表しつつある。
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