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ラマン散乱スペクトル構造による量子流体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 59420011
研究種目

一般研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物性一般
研究機関広島大学

研究代表者

大林 康二  広島大学, 総科, 助教授 (20013518)

研究期間 (年度) 1984 – 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
35,900千円 (直接経費: 35,900千円)
1985年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1984年度: 26,600千円 (直接経費: 26,600千円)
キーワード量子流体 / 超流動 / ラマン散乱 / 素励起
研究概要

この研究の目的は、レーザー・ラマン・スペクトルに見られる微細構造を通して、超流動ヘリウム4のミクロ状態を解明することにある。飽和蒸気圧下の超流動ヘリウムのラマン・スペクトルにおいて、微細構造がみい出されていたが、従来の研究では、その関数型を詳細に検討するのには、精度が不十分であった。そこで本研究では、マルチチャンネル検出器を用いた分光法を開発し、精度の飛躍的向上に成功した。この分光器を用いて、まず、飽和蒸気圧下1.3Kにおける超流動ヘリウム4のスペクトル構造を高精度で再確認した。つぎに、圧力を、1,3,5,6,10,15,20kg/【Cm^2】と変化させ、スペクトルの圧力依存性を測定した。スペクトルは、低エネルギー側からラベルして【P_1】,【P_2】,【P_3】の3つのピークと、【P_1】と【P_2】の間にみられる微細構造で特徴づけられる。新たに得られた知見は、1)【P_2】は、5kg/【cm^2】の圧力で2つに分離する、2)我々が見い出した【P_3】は、高い圧力程顕著になる、3)微細構造は、10kg/【cm^2】の圧力まで明瞭に見られる等である。微細構造は、従来の理論では説明できないことが分かった。さらに、2-ロトンによるピーク【P_1】のスペクトル構造の詳細な測定を行った。高分解能にし、このピークの最大値を示すエネルギー値を測定したところ、中性子散乱で決められたロトン・エネルギーの2倍とは異った圧力依存性を示すことが見つかった。スペクトル位置のこのずれと幅をパラメーターとして、従来正しいと主張されている素励起間相互作用モデルとの比較を行った。その結果、概略は合っているように見えるが、詳細にみると、無視できないずれがある。特に、このピークの高いエネルギー・シフト領域に肩状の構造が見られ、それが敏感に圧力に依存することが見つかった。以上のように、超流動ヘリウムのラマン散乱におけるスペクトル構造は、新しい観点からボーズ凝縮を解明する、有力な知見といえる。

報告書

(1件)
  • 1985 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Physical Review B. 31-3. (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1985 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 日本物理学会誌. 40-10. (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1985 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Physical Review B. 31 - 3. (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1985 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Buturi. 40 - 10. (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1985 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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